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2008.02.08 (Fri)

初音ミクの自在に変わる歌声

人間とは違うVOCALOIDならではの特徴の一つに、調整によって様々に歌声を変えられる事があります。
細かい調整によって声を変えたりうまく歌わせる作業をボーカロイドでは「調教」と呼ぶことがありますが、この調教の手順には大まかに2種類あります。
一つは、VOCALOIDそのもののパラメーターを操作することで声を変える方法。VOCALOIDのソフト標準の機能で、声の高低や性別要素など非常に細かい調整を施す事ができます。下手に弄ると
まともに歌えなくなってしまうので初期値のまま歌わせる事もあり、「ベタうち」と呼ばれます。
ボーカロイドの中でも、特にミクはベタうちに優れていると言われています。
もう一つは、様々な外部ツールで後から音声を加工する方法です。使用するソフトによってまったく
違う歌声が生まれ、元の声が判別できないほどの加工を施す事も可能です。一部メジャー歌手も、
こういったソフトで歌声を補正していると言われています。「神調教」と呼ばれるような作品の多くは、外部のソフトで調整をしているようです。

作者によって調教の方法はまったく違い、それが作者ごとのボーカロイドの歌声の個性になっていると言えます。
初音ミクの調教を重視した作品の中でも、ミクの声のバリエーションを知ることができる、特に個性的な調声の作品をいくつか貼ってみます。




 【im@s新年会】フルみっくで シアワセうさぎ(再)【ミク♂の本気】
アイドルマスタージャンルのユーザーイベント「2009年アイマス新年会」のボカマスコーナー用に作られた作品。使用曲は東方曲アレンジの「シアワセうさぎ」、動画製作はアイマスの「どん底P」、ミクの調教はボカロの「フルみっくP」が担当した御三家コラボ作品です。
普通に男女デュエットに聞こえますが、実は男パートも男声に調声したミクの歌声です。(ラップ部分は人間)
パラメーターの少ないVOCALOID2の中でも、ミクは特に声が変えられないといわれています。無理にジェンダーを変えても気持ち悪いオカマ声になってしまうのですが、フルみっくPの男声ミク(通称ミクオ)はとても自然なことで有名です。
落ち着いた柔らかい男声ボーカルはKAITOとも似たタイプですが、ミクオは壮年男性の声にも聞こえます。ボーカロイド達の中でも特に子供っぽいミクの声から、このミクオの声になるのはなんだか
不思議な感じがします。



 【初音ミク】ペンローズの薔薇の花【オリジナル】
ボーカロイド曲の中では昭和歌謡風の作品は根強い人気があり、この曲も昭和を強く感じさせるオリジナルのタンゴです。
ミクの声が非常に大人っぽく調教されていて、歌い方も昭和のベテラン歌手の風情があります。
まあ、おばさんっぽいとも言えますが、ミクの子供っぽい声では歌いこなせない大人の曲も、この声なら歌えそうです。
PVもアダルトで妖しい感じがよく出ています。



 【|ω・)。oO(初音ミク)】 トエト
トラボルタPの神調教で話題になったルカオリジナル曲「トエト」を、ミクでカバーしたものです。
奇をてらった調教ではありませんが、ミクにしては低音のお姉さんっぽい歌声で、ミクならではの癖を完全に消しています。
ミクの歌声に慣れた人ほど「ミクっぽくない」と感じるのではないでしょうか。
トエトは派生作品が多く、ボーカロイドによるカバーもいくつか作られています。VOCALOIDに向いた歌なのか、どれもなかなかの良調教なのでおススメです。



 【初音ミク】勝手に「なんということでしょう」のPV作ってみた
おしゃれで可愛い曲に定評のある「Shibayan(やーんP)」さんのオリジナル曲のPV版です。
Shibayanさんのミクは声が特徴的で、特にこの曲では機械的な加工を強くかけているようです。可愛い曲調とよく合っていて、おしゃれ度数割り増しです。



 ★ドットアニメ★初音ミクとルカの果てしなき大海原と水の巫女エリア
ceresPの人気シリーズ「ドットロイド」の一作で、ゲーム「ファイナルファンタジー3」のBGMアレンジ曲に合わせて、ミクとルカがオリジナルの歌詞で歌います。
前半はドット絵による会話劇になっていて歌までちょっと長い(3:50ぐらいから)ですが、歌唱部分ではceresPならではの力強い調教でミクが声を張り上げるように歌い上げています。ビブラートも力強く、のびやかです。ドラマ部分のミクが何かとユルイので、余計に印象的に聞こえます。
ミクは声がか細い事が最大の欠点ですが、この作品のようにそれを克服できている作品は多くないので、難しい技術のようです。
ミクだけでなくルカの調教もかなりのレベルで、さらにシリーズ過去作に登場するリンレンも良調教なので、ceresPの技術はボーカロイドを選ばないようです。



 【初音ミク】 The Customer Is God 【オリジナル】
「きりがぷにえ」さん、「田中和夫」さん、「舘科」さんの3人の作者によるコラボ作品で、珍しいデスメタル(グラインドコア?)のオリジナル曲です。
ミクにしては非常にハードな曲で、絵も壊れていてなにやら怖いですが、なにより「きりがぷにえ」さんの調教による「デスボイス」と「シャウト」が効果的に使われているのが特徴です。
ミクの声とは思えないほど極端なエフェクトをかけられた低い唸り声と、曲後半の様々な叫び声は「きりがぷにえ」さんならではの調教法が使われていて、曲に凄い迫力を与えています。「声がか細い」とか「のほほんとした声」と評されているのが嘘のようなデス声です。



 【4歳のミクリンレンルカが】ワールドイズマイン【頑張ったよ】
トークロイドの神調教師として知られる「ケフィアP」によるカバーで、元動画はryoさんの名曲「ワールドイズマイン」を4歳の女の子が歌って話題になった【4歳の娘が】ワールドイズマイン【頑張ったよ】です。
4歳の女の子のたどたどしくも可愛い「歌ってみた」を、リン・ルカ・レン・ミクが見事にコピーして、幼い女の子の声で歌っています。
歌い方が本当に生きているようにそっくりで、比較動画を聞いてもどちらがボーカロイドかすぐには解らないほど、音の強弱や外し方、鼻歌まで忠実に再現しています。ぼかりすもMMVも使わないでこれだけ似せられるなら、ボーカロイドでもうどんな声でも作り出せるのかも知れません。
トークロイドで鍛えたケフィアPならではの職人技で作られた、まさに神調教です。


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テーマ : 初音ミク ジャンル : 音楽

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