2008.09.04 (Thu)

無料ボーカロイド? UTAUファミリー

歌声合成ソフト「UTAU」(うたう)は、飴屋/菖蒲さん(飴屋P)によって開発・配布されているフリーソフトで、専用の音声データを、入力した音階の通りに切り貼りして歌わせる事が出来るツールです。
音声データを個人で製作して追加する事ができるのが特徴で、大部分の音声にはボーカロイド達のように名前とキャラクターが付けられています。そのキャラクター達も含めて「UTAU」と呼ばれますが、本来はツールの名前です。
簡単に言えばフリーの簡易VOCALOIDですが、元は「人力VOCALOID支援ツール」として開発されたもので、ソフトとしてのVOCALOIDとは直接は関係ありません。
「人力VOCALOID」は、複数の歌声のサンプルから声を切り出して別の歌に合成する技術で、アイドルマスターの1ジャンルでした。(名前はVOCALOIDにちなんで付けられました)
この切り貼りの作業を自動化するツールとしてUTAUは作られたのですが、開発を続けるうちに
方向性がVOCALOIDと重なって行き、今では「VOCALOIDのようなもの」としてボーカロイドジャンルの一部とされる事が多いようです。
ボーカロイドとは、デュエットやMMD動画などで多く共演しています。特に「重音テト」はその発祥からボーカロイド亜種の一人とされる事もあり、PVなどによく登場する人気キャラクターとなっています。

ボーカロイドとの最大の違いは声(とキャラクター)が増やせる事です。
声の種類はニコニコ動画内だけでも100種類を超えていて、日々増え続けています。そのほとんどがフリーで公開されているので、様々な個性の歌声から自分の好みのものを選んで歌わせる事ができるのです。
また、自分の声で新しい音声データを作って公開することもできます。自分の声でボーカロイドのようなキャラクターを作り、他の誰かがそれを使ってくれるというのもVOCALOIDにはない大きな楽しみの一つでしょう。
欠点は、VOCALOIDと比べると自然に歌わせるのが難しく、誰でも使えると言う手軽なツールではない事です。フリーではありますが調教も手間がかかるので、聞き手側でも作り手側でも初心者向けとは言えないようです。
しかし、多少不自由であっても多様な歌声に惹かれるファンは多く、フリーソフトで敷居も低いので
作品数は日々増えています。
pixivでは、「UTAU支援中」タグを付けることで動画作成時にイラストの利用を認めるというピアプロに似た取り決めも作られ、UTAU動画を支援する試みも行われています。
ソフト自体もハイペースで改良が続けられているので、いずれは欠点を克服して歌声合成ソフトとしてさらに進化していきそうです。
→「UTAU」や音声データの詳細とダウンロードは「UTAUユーザー互助会@ウィキ」
開発者・飴屋Pのブログ「UTAUについて」
現在、MAC版UTAUを製作中だそうです。




 テトルカミクリンオリジナル曲「サヨナラの瞬き」
「もそもそP」によるテトオリジナル曲で、ミクとルカも参加しています。
切ない別れの歌で、ボーカロイドの二人は非常にうまく使われているものの、あくまでメインはテトになっています。テト独特のロボ声ではありますが、切ない曲とミク・ルカのコーラスともよく合っていて、総合ランキングで上位に入るほどの人気曲となりました。
使用されている「重音(かさね)テト」は、最も古くからある音声ライブラリの一つで、UTAUの人気を支えている象徴的キャラターです。最近ではMMDモデルや連続音音源の登場などによって他のキャラクターも徐々に知名度を獲得してきていますが、それでもUTAU動画の半数近くがテトの動画であり、UTAUのソフトについては詳しく知らなくても、ボーカロイド亜種としてのテトなら知っているという人も多いと思います。
音声ライブラリとしても最も使われていますが、声自体は癖が強く、どちらかと言うと使いにくい音源のようです。
作者の「もそもそP」は、テトオリジナル曲で高い評価を受けているUTAUトップPの一人で、この曲の他にも「星が弧を描くように」も人気があり、テトの代表曲の一つになっています。
ちにみに、この動画のイラストはテトの声を担当した「小山乃舞世」さんの描いたものです。



 【UTAU 白鐘ヒヨリ 連続音】中島美嘉 FIND THE WAY
UTAUの連続音音源「白鐘(しらかね)ヒヨリ」を使用したカバー作品。
かなり自然な歌声で、よく聞くと多少癖が残っているものの、ほとんど人間の歌声にしか聞こえないレベルの調教です。元々音自体は加工が少ない分生っぽいのがUTAUの特徴でしたが、欠点であった音の繋ぎでもVOCALOIDの神調教レベルの作品と比べて遜色なく聞こえます。
UTAUのこの歌声は、作者「メリヒヨP」の力量も大きいのですが、2009年8月に発表されて視聴者を驚かせたUTAUの新技術「連続音」があって初めて実現しました。
これは、単音ではなく複数の音声要素を持つ連続音を収録して使用する方法で、大変な手間のかかる専用ライブラリの収録が必要になるものの、音の繋がりをかなり自然にすることができるようです。これによりUTAUは一段進化した歌声を手に入れ、この曲のような神調教作品もいくつか生まれています。とはいえ、連続音音源さえ使えば誰でもできると言う訳ではないようです。
作者の「メリヒヨP」は連続音発表後にUTAUを使い始めたUTAU職人で、主に連続音の「白鐘ヒヨリ」「穂歌ソラ」「雪歌ユフ」「橙屋コハナ」で作品を発表しています。そのどれもが神調教といえる作品で、UTAU全体でも最高レベルのカバー職人です。



 ショートムービー「デフォ子の部屋」(UTAU×MMD)
タイトルの通り、MikuMikuDanceの「デフォ子」モデルをメインで使ったショートドラマです。
UTAU最古の音源である三人、デフォ子(唄音ウタ)・桃音モモ・重音テトの通称「UTAU三人娘」が登場する会話劇で、キャラクターの細かい仕草や会話の構成、カメラワークなどどれも非常にクオリティが高く、総合ランキングでも上位に入るほどの人気になりました。
喋りにUTAUを使っているので聞き取りづらい部分もありますが、それぞれが個性的に描かれていて、キャラクターへの思い入れが感じられます。
UTAUキャラクターのMMDモデルはかなり早い時期から作られていて、この三人の他にも「和音マコ」「天音ルナ」「雪歌ユフ」「春歌ナナ」などのモデルが存在します。どれも出来のいいモデルなので人気も高く、これらのモデルが登場した事で、ほとんど重音テトだけだったUTAUキャラクターの存在感が増し、ビジュアル面での認知度も徐々に高まっているようです。
この動画の作者「inaphon」さんは、デフォ子を使った自作オリジナル曲のハイクオリティMMDPV「石碑」で衝撃デビューしたMMD職人で、当時人気が下火であったデフォ子を盛り上げるために投稿したと自ら語っているデフォ子使いです。MMDの扱いが並外れて上手く、映像関係のプロではないかと言われています。そのキャラクター性を強く感じさせる演出で、特にデフォ子の性格設定とキャラクター人気に大きな影響を与えました。オリジナル曲も全部自作で、この動画のEDテーマ「ダカラ、ウタウ」もドラマ部分のオマケ扱いにするのは勿体無い良曲です。



 【Mac音ナナ】ダブルラリアット【UTAU】
音声素材集「Mac音ナナ」をUTAUを使って歌わせた動画で、曲は巡音ルカの代表曲「ダブルラリアット」です。作者はUTAUの開発者でもある「飴屋P」で、新技術のテストも兼ねて、UTAUを使いこなした多くの良調教作品を発表しています。
Mac音(まくね)ナナは、Mac専門雑誌「Mac Fan」の連載から生まれた有料の音声素材集で、Mac用
VOCALOIDを目指して人気声優・池澤春菜さんの声を元に作られました。
Reason4専用の「Mac音ナナ」と、一部の音声を省いたAIFFデータ集「Mac音ナナ Petit」がありますが、このうち「Mac音ナナ Petit」はUTAUに流用する事ができます。
正式版は音声データも豊富なはずですが、本格的DTMソフトReason(6万円~)といってもVOCALOIDエンジンではないのは同じなので、歌唱に関してはUTAUより優れているということも無いようです。
どうやら、「Mac専用VOCALOID」と言うよりは「有料UTAU音声」という評価になりそうです。
UTAU音声としては、プロの声だけあって非常にクリアで、聞きやすい歌声です。ただし、データが
少ないのか特に低音部に弱く、酷く不自然になってしまうという欠点があります。
この動画では、飴屋Pの技術で低音部の不自然さをほとんど消すことに成功していて、Mac音ナナ本来の、のびのびとした歌声が発揮されています。ここまでナナの低音を歌わせられる作者は、ほとんどいません。さすがは開発者です。



 【UTAU】穂歌ソラに「Sayonara Distance」を歌ってもらった
ケトラPのテトオリジナル曲「Sayonara Distance」を、「穂歌ソラ」でカバーした作品。ソラの音源は連続音版が使用されています。
穂歌(すいが)ソラは、UTAUで最も人気のある男声ライブラリで、KAITOやがくぽ、レンよりも癖のない青年の声で歌います。癖のない男声は貴重なので、ソロだけでなく合唱やコーラスにもよく使われています。
UTAUの欠点と言われる低音の影響を受けやすいためか男声音源は色々難しいようですが、ソラの音源は収録者によって何度も修正が加えられており、男声音源の中でも特に完成度の高い音源になっています。連続音の技術にも早々に対応し、収録者自ら意欲的に作品を発表しています。
声を当てた同じ人による女声版「穂歌サラ」も公開されていて、デュエットにも向いているようです。



 [UTAU] Camila "Amazing Grace"
英語VOCALOIDのデモとして伝統的に使われる讃美歌「Amazing Grace」を、UTAU音源「CamilaMelodia」に英語で歌わせた作品です。
UTAU動画はボーカロイド動画と共にYouTubeに転載されて海外のファンも多く、海外ファンによって新しい音源とキャラクターが作られる動きも出てきています。これは「UTAU海外組」としてニコニコ動画にも投稿されていて、UTAUならではの多様な音源の一部として日本人の使用者もいるようです。
その「海外組」の中でもYouTubeで人気が高く、主にボーカロイド曲カバーで多くの作品が作られているのが「CamilaMelodia」(男声バージョンは「CamiloAdagio」)で、なんと日英西の三ヶ国語対応のUTAU音源です。(スペイン語サンプル日本語サンプル)
専用のサイトなどもあり、製作者本人やファンによるイラストも多彩でなかなか本格的なUTAU音源です。
他の「UTAU海外組」については、この紹介動画が解りやすいと思います。



 【UTAU/揺歌サユ】cloud strider -sayu.edit-【素材サイト曲×自作詞曲】
音楽素材サイトの楽曲に作者が自作の詞を付けた作品で、歌うのはよく使われる女声ライブラリの
一つ「揺歌サユ」です。
揺歌(ゆりか)サユは、聞くと解る通り非常に特徴的な、ささやくような歌い方をします。
これは、今のところ発売されているどのボーカロイドでも出せない味で、多くの音源を持ち汎用性に
こだわる必要のないUTAUならではの個性的な歌声です。
UTAUにはよく似たウィスパーボイスの「雪歌ユフ」もいますが、サユの方が多少声が柔らかく、かすれが強いという違いがあります。とはいえすぐには聞き分けるのが難しいぐらいよく似ているので、人気を二分してしまっているようです。なんか名前も似てるような気がします。
キャラクター的には、パンダのインカムやチャイナ服など、中華風のイメージのようです。



「UTAU」には他にも多くの音声がありますが、多すぎるので主要な音声だけリンクを貼っておきます。この選択肢の多さがUTAUの魅力の一つですが、把握するのは大変です。

和音マコ「ファイスタ」 和音マコのソロ、オリジナル曲
桃音モモ「anger」 テトと並んで最古の音声の一つ、使用者も多い
欲音ルコ「星屑ユートピア」 VIPによる偽VOCALOID第二弾、身長197cmの12才
天音ルナ「ルナ~海の妖精~」 天音ルナのソロ、名前とかけたらしいです
雪歌ユフ「テレパステレパス」 サユとよく似たささやきボイスだけどメインはユフ、のはず
蟹音ぱん。「ダブルラリアット」 レンによく似た少年声
雷歌ヒビキ「炉心融解」 通称りんっぽいど、男声だが調整するとリンになる


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テーマ : 初音ミク ジャンル : 音楽

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やっぱ神だわww
 |  2012.01.23(月) 19:46 |  URL |  【コメント編集】

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