2008.09.02 (Tue)

ニコニコ技術部・ミク実体化への道?

ニコニコ動画において、「技術の無駄遣い」を合言葉に様々なウィットに富んだ創作を行う技術系
動画ジャンル。それが「ニコニコ技術部」です。
タグの発祥が初音ミク系な事もあってジャンル同士の関係が深く、特に「はちゅねミク」は技術部の
マスコットのように扱われています。
ニコニコ技術部の特徴として、ある技術動画が話題になると、他の技術部員がそれの発展形や別のアプローチから試した動画などを上げて、ニコニコ技術部内で一種の開発競争が起こる事があります。
そうして生まれた人気シリーズも多く、現在も「あの楽器プロジェクト」や「SOMESAT」などのプロジェクトが進行中です。
一見バカバカしい事にでも、技術と発想の限りを尽くして全力で取り組む。その姿勢こそ数々の傑作動画を作り出してきた「技術の無駄遣い」であり、「ニコニコ技術部」の真髄なのです。
詳しい活動は、ニコニコ技術部まとめwiki




 【等身大】初音ミク作ってみた【01_balladePV】
理大生の作者が、「本物の初音ミク」を実体化させる夢のために等身大ロボットを一から作り上げていく過程を記録した動画です。36分という長い動画ですが、外部のニュースサイトなどでも取り上げられて大きな話題となりました。
愛ゆえの拘りが凄く、手足が動くだけでなく指や表情まで動かす事ができ、スピーカーを内蔵していて自分で歌う事もできます。可愛さを追求した造形や身体を動かす機構の設計、特徴的な服まですべて自分で手作りして、制作にはなんと2年近くの時間がかかっているそうです。
ニコニコ技術部ではよくある製作過程で細かく区切った動画シリーズにしなかったのは、不完全な状態で晒すのではなく最初から「初音ミクが可愛い」という完成した状態で出したかったとASCII.jpのインタビューで語られています。まさに拘りの結晶です。
ニコニコ技術部の中でも技術工作系動画は数が多いですが、特にロボット工作は人気のあるジャンルで、他にも「自転車に乗る初音ミクを作ってみた」「珈琲を淹れさせてみたのだが・・・」「はちゅねに 消失 Hardをクリアしてもらったよ。」など多くの人気動画が作られています。



 【再放送】プロジェクトN~ニコニコ技術部員たち~
NHK某番組のパロディ風にニコニコ技術部の歴史をまとめた動画です。
司会の「棒読男」の棒読みや、ミクの歌う微妙に気の抜けるOPEDもいい味を出してます。
時計を利用したはちゅねミクのねぎ回し動画から始まったとされるニコニコ技術部も、ねぎ振り、小型化戦争、単純化戦争、巨大化計画など様々な人気シリーズを経て人気も上がり、定期的に各地で技術発表会が開催されるまでになっています。
現在進行中の「あの楽器」プロジェクトでは企業も関わっていて、すでに商品化された技術もあります。ニコニコ技術部の洒落と技術の無駄遣いから生まれた物が、当たり前のように世に出回る日がいつか来るかもしれません。



 はちゅね初!宇宙へ 【1.とりあえず空中くらいでw】
SF好きなら宇宙に夢を抱くのは極普通です。いつかロケットに乗って宇宙へ行ってみたいと思っていた人も多いでしょう。そして、大抵の人はその道の困難さに負け、いつか諦めてしまいます。
しかし、バカバカしい事にも真剣に取り組む事に定評のある「ニコニコ技術部」では、個人の力で本気で宇宙を目指す壮大なプロジェクトが立ち上がっています。
その名も「SOMESAT」(ソーシャル・メディア衛星開発プロジェクト)。ニコニコ技術部でも特に力の入った長期プロジェクトで、目的は「はちゅねミクを搭載した衛星を打ち上げ、宇宙でネギを振らせる事」です。
「個人で衛星を打ち上げる」というのは一見荒唐無稽な話のようですが、実は何通りか手段があるそうで、現在も実現に向けた検討が続けられています。
個人による衛星打ち上げを目指すというだけでなく、初音ミク(はちゅねミク)を使った動画で宇宙開発を盛り上げ、新しい宇宙好きを増やしていきたい。という意味もあることが活動の中心人物の1人「尻P」のブログで語られていて、その一環として行われた金星探査機「あかつき」応援キャンペーンでは一万人以上の応援メッセージを集めて大きな話題になりました。
「SOMESAT」の前身となったのは「はちゅね宇宙航空研究開発機構(HAXA)」というシリーズで、作者は現役エンジニア(PS3やPSPのコアな部分の開発に関わったそうです)であり、「SOMESAT」のもう1人の中心人物「超電磁P」です。
この動画はHAXAの最初の動画で、ニコニコ技術部が宇宙を目指す活動が始まった動画でもあります。
HAXAシリーズ他の動画は「はちゅね宇宙航空研究開発機構(HAXA)」タグから見ることができます。



 【初音ミク】 ニコニコ技術部へのお願い・これ作って! 【謎の楽器】
2008年12月24日に投稿されたこの動画は、ミクオリジナル曲の3DPV「Innocence」に登場するSF的オリジナル楽器を実際作って欲しいとニコニコ技術部に依頼(挑戦)したメッセージ動画です。そして、この動画をきっかけに始まったのが、「SOMESAT」と並ぶニコニコ技術部の長期プロジェクトで、「あの楽器」シリーズと呼ばれます。
多くの技術部員達が独自のアイディアでこの架空の楽器を現実化させようと取り組み、それぞれの研究成果を持ち寄って「あの楽器」ミーティングが開かれたり、TV番組「ザ☆ネットスター!」でも取り上げられるなど大きな活動になっています。
個人で購入するには高額すぎる巨大タッチパネルが開発のネックになっているようですが、タッチパネルではなく独自のセンサーを組み込んで大きさや形の再現を重視した「あの楽器春日モデル」や、とりあえずハード面は既製品(iPhone)を使用して、タッチパネルでの演奏法や画面効果などのソフト面を重視した「ouiLead」など、様々なアプローチによる「あの楽器」開発が続けられているようです。



 作ってみた
ニコニコ技術部の人気シリーズの一つで、「また御社か」「痛社」などと呼ばれる動画シリーズです。
このシリーズでは、「みっくみくにされたので作ってみました」の言葉と共に、明らかにプロの機材を使って大人気ないクオリティで次々とミクのキャラクターグッズを作っていきます。
第一作であるこの動画では「痛車」を作っていますが、他にもミクPCとミクマウス、動くはちゅね看板(通称・受付嬢)、キャラクターシリアル(オマケシールつき)、壁紙、Tシャツ、キャラクター絵皿など様々なミクイラスト入りグッズを作っています。
もちろん本業の人が本物を作る機械で作っているので、すぐに商品化できるクオリティのものばかりです。作者が社長なので趣味に機材使い放題らしいですが、社員は大変そうです。
あくまで趣味なので、できたグッズは仕事場に飾ったりイラストの作者に贈ったり無料で配ったりしていましたが、その内ミク関係のイベントやクリプトンからPOPやポスターなどの製作依頼が来るようになり、STGTの本物のミクレースカーの塗装を任されるなど、本当に初音ミク御用達の業者になったようです。
作ってみた業者シリーズの他の動画はここから見られます。



 ARToolKitで初音ミク(その5):影をつけてみるテスト
ニコニコ技術部で扱われる技術は範囲が広く、機械系だけでなくソフトウェアの分野も含まれます。
この動画は、「ARToolKit」の技術を投稿者がアレンジしたもので、机の上を写したカメラ映像の中に
3DCGの初音ミクがいて、カメラを動かしたり台を持ち上げると色んな角度からミクを見ることが出来ます。
まるで立体映像が現実空間に映し出されているようですが、モニターに映されているカメラ映像の中にマーカーを置くことで、その角度や位置をリアルタイムで計算して映像にCGを合成する技術です。
ワシントン大学で開発されて研究用に公開されているソフトウェアライブラリを使っていて、完成した
ソフトではないので使用するにはプログラムの知識が必要になります。
「ARToolKit」は一時ニコニコ動画でちょっとしたブームになり、他にも独自の改良を加えた「[電脳ペット] 初音ミクとあそんでみた」「ARToolKitで初音ミクVR Displayシステム」など多くの作品が注目されました。
この動画の作者も後に、この技術とMMDを融合させて「ARToolKitで初音ミク Act2 : GO MY WAY!!」でさらにARToolKitを進化させています。
ニコニコ動画で話題になった事と関係があるかは解りません(多分あると思います)が、2008年10月に「電脳フィギュアARis」としてこの技術が商品化されました。



 SからNへ――南極点のピアピア動画(前編版)
「ニコニコ技術部」には企画力と実行力のある作者が多いのか、リアルでの技術会議やイベント参加など「ニコニコ技術部」としての活動が多く行われています。その「ニコニコ技術部」ならではの活動に精力的に参加して、技術部の顔として知られているのが「尻P」ことSF作家・野尻抱介さんです。
野尻さんは星雲賞を6回受賞して作品がアニメ化もされている人気小説家ですが、熱心なニコニコ動画ユーザーで、またボーカロイドのファンであることでも知られています。
見るだけでなく自分でもいくつもの動画を投稿していて、「オープンソース携帯みくみくプレイヤーの製作」「トマトを光らせたり噴水にしてみた」「空飛ぶパンツのようなもの」など、アイディアと技術力駆使したニコニコ技術部らしい人気動画を多く作っています。コメントの「先生何やってんすかwww」「先生仕事してください」は最早お約束です。
この動画は「尻P」本人の作品ではなく、野尻さんがニコニコ動画と初音ミク、そしてニコニコ技術部をモデルに執筆した短編小説「南極点のピアピア動画」の作中歌に、「LK074」さんが実際曲を付けてミクに歌わせたものです。小説には今から10年後のニコニコ動画が描かれていて、作中でこの曲はVOCALOID「小隅レイ」が歌って「ピアピア動画」に投稿されていました。
この「南極点のピアピア動画」は、第40回星雲賞日本短編部門受賞作品となっています。


最終更新・2010/1/29 人気ブログランキングへ ←押してもらえると励みになりますm(_ _)m

テーマ : 初音ミク ジャンル : 音楽

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