2008.03.11 (Tue)
侍ボーカロイド・神威がくぽ
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VOCALOIDは、初音ミク以前はどちらかと言うとマイナーな技術で、日本ではクリプトン一社だけが製作・販売していました。しかし、「初音ミク」や「鏡音リン・レン」が人気になっていたころ、VOCALOIDに新たな会社が参入し、初のクリプトン以外から発売される日本語ボーカロイドが誕生しました。
それがインターネット社から2008年7月31日に発売された男声VOCALOID「がくっぽいど」です。
がくっぽいどのイメージキャラクター「神威がくぽ」の名は、声を担当した有名アーティスト「神威楽斗」さんにちなんで付けられました。外見は「和と電脳」を組み合わせたイメージになっていて、紫の長髪を束ねた歌う侍です。持っている刀「楽刀・美振(がくとう・みぶり)」は武器ではなく楽器の一種と設定されていて、全身を使って演奏するYAMAHAの電子楽器「Miburi」から名前が取られています。
キャラクターデザインは有名漫画家である三浦建太郎さんが担当し、話題になりました。
インターネット社のボーカロイドシリーズは、後に第二段である「メグッポイド」発売時に「AV(アーティスト・ボーカル)シリーズ」と命名されています。
AVシリーズのボーカロイドは、モデルとなったアーティストの歌声にできるだけリアルに近づける方向で調整されていて、がくぽもモデルになったGACKTさんの声を癖も含めて忠実に再現しています。
そのコンセプトは、「誰のものでもないボーカロイド自身の声」を目指して作られたクリプトンのCVシリーズとは大きく異なり、ボーカロイドもまったく違う性能と個性を持つことになりました。
がくっぽいどの特徴としては、あまり調整しなくても低音の色っぽい声でリアルに歌う事ができますが、その分癖が強く汎用性に欠けるという欠点もあります。簡単にGACKTっぽい声で歌わせる事ができますが、逆に歌声を大きく変えるのは難しいと言われています。
キャラクターとしては色々迷走していますが、とにかく侍です。ネタ系動画ではナスが好きだったり
ナス馬に乗っていたりもするようです。
他社製な上に「侍」というなんとも絡ませにくい設定のため、CVシリーズを中心とするボーカロイドファミリーのキャラクターを使った作品からは省かれてしまう事もあります。
ボーカロイドの中でも所有者が少なく曲数も多くはありませんが、そのリアルな歌声と魅力的な低音は、他には無い個性として受け入れられているようです。
【がくぽ】ダンシング☆サムライ【手描きネタPV】
がくぽオリジナル曲「ダンシング☆サムライ」に手書きPVを付けたものです。
原曲のダンシング☆サムライは、がくっぽいど発売当日に投稿されて現在でもがくぽ楽曲で最も再生数が多い、がくぽの代表曲となっています。
とてもノリのいいキャラクターソングで、「歌うサムライ」という解釈の難しいがくぽのキャラクターを見事に歌で表現しています。独特の力の抜けたイラストも一度見ると忘れられないほど印象的で、幸か不幸かこの曲のインパクトが、発売早々にがくぽのネタキャライメージを固めてしまいました。それだけの力を持った名作だったと言う事です。
作者の「カニミソP(mathru)」はこの曲でがくっぽいどの存在感を大きく高めただけでなく、2009年に行われた「がくっぽいどコンテスト」では応募曲「Episode.0」で見事グランプリに輝いています。名実共にがくっぽいど使いのトップPです。
この「ダンシング☆サムライ」には関連作品も多く作られていますが、とくにこのPVはニコニコ動画で流行った様々なダンスを取り入れたネタ満載の作品で人気があります。KAITOが登場していますが、がくぽは他のネタ作品でもKAITOとペアで登場する事は多く、「仕事を選べないKAITO」「仕事を選ばないがくぽ」と呼ばれて親しまれて(?)います。
【神威がくぽ】バタフライ【オリジナル曲】
低音レンに定評のある「ナタP」のオリジナル曲で、レンバージョンが先に発表されましたが、後に作られたこのがくっぽいどバージョンの方が人気が高いようです。がくぽの歌声に良く合った曲で、クオリティの高い楽曲とサビの部分の独特の音の伸ばし方が特徴的です。
この曲は、2009年12月に行われた「がくっぽいどコンテスト」の結果発表放送で、応募作でないにもかかわらずGACKTさんに特別に言及された曲としても有名になりました。そこでは、特にサビの「え」で伸ばす部分が、ボーカロイド曲ならではの新しい曲作りであるとしてGACKTさんに高く評価されています。
がくっぽいどの声を担当した「GACKT」さんは、現役の人気TVタレントにしてプロのシンガーソングライターですが、ボーカロイドの技術や意義についての理解も深いようです。2009年に行われた「がくっぽいどコンテスト」では多くの応募曲すべてを自分でチェックして、受賞作については自分で口ずさめるほど聞き込んだ上で的確なコメントをするなど、プロ・アマの関係なく音楽に真摯に向き合う姿勢がボーカロイドファンにも強い印象を残しました。
この「がくっぽいどコンテスト」はインターネット社ボーカロイドのアーティスト路線ならではの企画であり、現在主流の「CVシリーズ」のコンセプトとは異なる「AVシリーズ」ならではの価値と可能性を示したと言えるかもしれません。
→がくっぽいどコンテストについては「[2009/12/16] がくっぽいどコンテスト結果発表・GACKTさんが歌ってCD化も?(雑記)」へ
【がくっぽいど】カンタレラ【カバー】
KAITOとミクの人気曲「カンタレラ」を、黒糖ポッキーPががくぽとリンでカバーしたものです。
KAITOやレンよりも男らしいがくぽの声は、男女デュエットでは真価を発揮します。相手役のリンが幼さの残る少女声なので、対比でがくぽの声も引き立っているようです。
作者の黒糖ポッキーPは、「伝説のがくぽマスター」のタグを付けられる、がくぽ使いの実力派Pです。がくぽとリンの組み合わせのカバー曲を得意とし、他にも「夢見ることり」や「がくぽに鬼畜眼鏡を歌ってもらった」などの人気作品を作っています。
がくぽの人気を支える貴重な職人の一人です。
【がくっぽいど】The Gambler(フルリメイクVer.)【オリジナル様式美HM】
がくぽ使いとして有名な「ROY」さんの「がくぽオリジナル様式美ヘヴィメタル」シリーズ第一作「The Gambler」を、自らリメイクしたもの。二人の絵師による耽美ながくぽのPVがついています。
ROYさんの作品の特徴である癖のない高音がくぽと、全て本人演奏の激しいギターサウンドが印象的な名作です。ROYさんの調声技術はがくぽ作者の中でもトップクラスで、癖のない歌唱だけでなくトークやシャウトも得意としています。
ROYさんの作品の中で代表作と言えば、最大のネタ曲「ナスえもん」などがありますが、ドラえもんパロディのこの作品でさえ、神調教で神ギターでヘヴィメタルになっていました。
この曲のようなロックやヘヴィメタルは本来ボーカロイドにとっては苦手なジャンルなのですが、中の人であるGACKTさんのイメージの影響なのか、がくぽオリジナル曲では比較的多く作られる傾向があります。名作も多数生まれており、がくっぽいどの得意ジャンルと言えるでしょう。
【神威がくぽ】 錦の舞(Remix完全版) 【オリジナル曲】
がくぽ(がくこ)オリジナル曲。
オリエント風味のデュエット曲で、人格と性別が入れ替わる多重人格モノをイメージしているそうです。
男声パートと女声パートで声が変わりますが男声・女声ともがくっぽいどが歌っていて、パラメーターによって女声に調声されたがくぽは特に「がくこ」と呼ばれたりします。
がくこは少し舌っ足らずな少女の声になりますが、他のボーカロイドの性別反転調声(ミクオ、KAIKO、MEITOなど)させた歌声と比べて特に違和感が少ないので、がくこを使った曲も人気があり、多く作られています。
がくっぽいどの大きな特長の一つといえるかもしれません。
【がくっぽいど他】A.I. (is LOVE FOR MYSELF)【オリジナルPV風】
「konkon」さんのがくっぽいどオリジナル曲で、Power-FXペア「Sweet Ann」「Big Al」との珍しい共演です。
曲調もボーカロイド曲としては珍しく、投稿者コメントによれば「泥臭いfunk+rapな感じ」だそうです。PVもアフロがくぽが新鮮で、なんともダサカッコイイというか、ファンキーです。
ラップは本来ボーカロイドが最も苦手とする音楽ジャンルの一つですが、がくっぽいどのリアルで男っぽい声質がなかなかラップに合っているようです。
最終更新・2010/3/25

toshi |
2009.04.28(火) 19:27 | URL |
【コメント編集】
こちらこそ、感想ありがとうございます。
がくぽは美声を生かした良い曲がたくさんあるし、もっと注目されてもいいボーカロイドですね。今度、がくぽの妹?に当たる新ボーカロイドが出る予定なので、デュエットなどでがくぽもさらに活躍してくれると思います。楽しみですな。
がくぽは美声を生かした良い曲がたくさんあるし、もっと注目されてもいいボーカロイドですね。今度、がくぽの妹?に当たる新ボーカロイドが出る予定なので、デュエットなどでがくぽもさらに活躍してくれると思います。楽しみですな。
sekise |
2009.04.28(火) 20:42 | URL |
【コメント編集】
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有り難うございます。がくぽがめちゃめちゃ大好きです。こういうサイトを作っていただけると助かります。・・・すいません。こいうののかきかたって、よく分からなくてwww