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2008.03.27 (Thu)

二次創作から公認へ・ボーカロイド亜種

ボーカロイドジャンルでは、ミクたちを元に容姿や設定を一部改変して考案された、様々な二次創作キャラクターが作られる事があります。
それらは「ボーカロイド亜種」「ボーカロイド派生キャラ」などと呼ばれ、数百種類が作られていると言われています。(「亜種」と「派生」はほぼ同じ意味で使われるようです)
派生が生まれて定着するきっかけは様々ですが、ボーカロイドファミリーがまだ少なかったときには、性格や色を変えて掛け合いがしやすいキャラクターを増やす事がありました。「AKAITO」「雑音ミク」など。
また、ミクを男声で歌わせたり、KAITOを女声で歌わせる時などにも、元のキャライメージを崩さないために「ミクオ」「KAIKO」「MEITO」などの派生キャラクターが誕生することがあります。
ピアプロやpixivでも絵師によるデザイン的な遊びとして大量の変種が描かれていて、これらも亜種と呼ばれます。ヘヴィメタルな「鋼音ミク」などが比較的有名です。
しかし、個人の二次創作の押し付けを嫌う人も多く、実際に定着しているのは人気のある極一部となっています。特に必然性もなく個人の好みで作られたようなキャラクターは、まず定着しないと言っていいでしょう。
人気が高く、多くの作者によって作品に使われるようなオリジナル亜種キャラクターは、ユーザーの創作を推奨して支援するクリプトンの方針により、公認化(公式ではない)されることがあります。
それによって、二次創作キャラクターでありながら著作権の問題がクリアになり、クリプトンのキャラクター利用のガイドライン(PCL)に従うことで、誰でも自由にその亜種キャラクターを使うことができるようになります。
また、フィギュア化やゲーム化などの商品化が容易になるという利点もあり、その際の交渉などもクリプトンが窓口になって行ってくれますが、作者は権利を手放すわけではないので最終的な判断は作者がすることになります。
これはボーカロイドジャンル独特のシステムで、クリプトンとユーザーが作り上げてきた創作文化とそれを支えるシステムの一環です。
ここでは、ボーカロイドファミリーの一員としてPVなどに登場する事が多く、クリプトン公認(テトは調整中)となっているファン創作亜種キャラクターを紹介したいと思います。




 【YYYY】組曲「はちゅね」【YYYY】 ボーカル入り 1.0版
組曲『ニコニコ動画』のアレンジで、多くの名作はちゅねミク動画が登場する替え歌です。
はちゅねミクは亜種キャラの中でも最も古く、「Ievan Polkka」でネギと共に初めて登場しました。この動画の人気と共に、動画内でネギを振る独特のデザインのデフォルメミクも人気になり、後に作者のOtomaniaさんによって「はちゅねミク」と名付けられ、亜種として定着しました。
ずんぐりした三頭身スタイルとふてぶてしい顔付きが特徴で、アホの子でネギが好きで食いしん坊と、ミクのネタ成分を凝縮したようなキャラクターです。分裂する事もあります。
しかし、多くの作品では単にミクのSDキャラとして扱われていて、その場合は外見だけがはちゅねで、中身はミクです。亜種でもあり、ミクそのものでもあるというマスコットキャラクターです。
はちゅねミクは外見のインパクトと不思議な可愛さからから多くの作品で登場していて、ニコニコ技術部のマスコットとなっていたり、ミク本人を差し置いて真っ先に「トロ・ステーション」に登場したり、ねんどろいどが作られたり、ミクのPSPゲームでもOPとEDで大活躍したりしています。
また、ロイツマの作者Otomania、Tamagoの二人によって『はちゅねミクの日常 ろいぱら!』としてコミック化もされています。
「なんでネギ?持ち物戦争(1)」



 【亞北ネル】伝えたいけど飽きた寝る【PV】
初音ミクが歌う亞北ネルキャラクターソングに、PCゲームらぶデスを使った3DPVを付けた動画。
「防火ロイド・亞北ネル」もクリプトン公認亜種の一人で、ハク・テトと共に「三大亜種」と呼ばれる事もあります。
外見は初音ミクを基にしていて、黄色い髪と片方だけのサイドテールが特徴です。性格は典型的なツンデレで、仕事(ネット工作員のバイト、自給700円)上はボーカロイド達の敵ですが、実は憧れていて隠れファンでもあります。工作用の携帯電話が必需品です。貧乏だったり、東北出身だったり、レンに片思いしているという設定もよく使われるようです。(片思い設定はこの動画の「おまけ」が初出)
元は2chのニュース板で初音ミク関連スレに現れ、一日中ミクを貶める発言をしたり「飽きた、寝る」と繰り返し書き込んでいた工作員を萌えイラスト化したもので、炎上を防ぐネット工作員=防火ロイド亞北ネルと名づけられました。ツンデレ美少女がバイトで必死に書き込んでる設定をつけておちょくって遊んでいたわけですが、そのうちキャラが一人立ちしてテーマ曲なども作られ、独立したキャラクターとして定着していきました。
性格的にボーカロイドたちと絡ませやすく、愛嬌のあるライバルキャラとして多くのPVやMMD動画に登場しています。



 【弱音ハク】ぼっこぼこにされてるよ
初音ミクが歌う、「みくみくにしてあげる」弱音ハクアレンジバージョンです。
「VOYAKILOID・弱音ハク」はクリプトン公認亜種の一つで、ミクを基にした外見ですが、白い髪を後で束ねた巨乳の20代女性の姿で描かれます。いつも自信がなく、酒に酔いつぶれて愚痴や弱音を吐くキャラクターです。ハクの動画には、コメントに「ツマンネ」と書くのがお決まりになっています。
立場的には、底辺ボーカロイドだったり、底辺Pだったり、間を取って底辺シンガーソングライターだったりします。最初は「ミクを買ったものの音楽の素養がなくて使いこなせない作者」を象徴するキャラクターとしてイラスト化されたのですが、次第に「上手く歌えない歌手」のような位置付けに変わって行ったようです。
セクシーなビジュアルや気弱なキャラター設定に人気があり、亞北ネルと並んでPVなどに出演する事が多い亜種キャラクターです。特に、そのスタイルの良さから大人っぽい役割やセクシーなダンスPVなどで多く登場しています。
それから、YouTubeで外国人にも割と人気があり、動画には弱気なハクに対する励ましや応援のコメントがたくさん付いています。



 【重音テト】嘘の歌姫【初音ミク】
初音ミクと重音(かさね)テトが歌う、「悪ノ娘」の重音テトアレンジバージョンです。ちょっと長いですが、後半からテトが歌っています。
「某カロイド・重音テト」は、VOCALOIDと似た機能を持つフリーの歌声合成ソフト「UTAU」を代表するキャラクターで、他の亜種とは違いテト自身の音声ライブラリによる独自の歌声を持っています。
外見は赤系の髪に縦ロール、赤いたれ目で、肩には「0401」のナンバーがあります。キャラクターとしてはMMDでの活躍が多く、「キメラ」という設定で羽が生えていたり、「年齢31歳」がよくネタにされています。
元は、2chのVIP板のスレが発祥で、2008年エイプリルフールに「新VOCALOID発表」という嘘ネタ用にアンカー指定方式で作られました。4月1日が過ぎればもう用無しのはずでしたが、丁度完成したばかりだったフリーの歌声合成ツール「UTAU」の音源として復活することになりました。
→誕生の詳しい経緯については「名作で見るボーカロイドの歴史7」
ボーカロイド系の動画では、その発祥からネルやハクと並んで亜種の一人として定着し、「三大亜種」と呼ばれる人気キャラになりました。亜種の中でもボーカロイド達と歌で共演できるのが特徴で、多くのデュエット作品が作られています。
テトは誕生に多くの人が関わっており、そのため他の亜種キャラクターと比べて権利関係が複雑で長く調整が続けられていましたが、2010年のエイプリルフールからクリプトンの協力によってPCLを「準用」することで、公認亜種キャラクターに順ずる扱いで自由な創作が認められることになりました。
→UTAU音源としてのテトについては「無料ボーカロイド? UTAUファミリー」



 【咲音メイコ】星間飛行PV
「咲音メイコ」モデルに「星間飛行」を踊らせた、MikuMikuDanceのPVです。
咲音メイコは「MEIKOが(自主規制)年前、16歳でアイドルをしていたころの姿」という設定の二次創作で、ロリMEIKOで人気になった「斜め上P」の創作キャラクターです。
酒飲みでワイルドな本格シンガーのイメージがあるMEIKOですが、「咲音メイコ」は媚び媚びの可愛い声と80年代昭和アイドル風の衣装や選曲が特徴で、MEIKOは一体いつの生まれなのかと聞きたくなりますがそこはタブーのようです。
元々MEIKOのロリ調声とセットで人気があるキャラでしたが、美麗なキオ式モデルがMikuMikuDanceに移植されたのをきっかけに斜め上Pの手を離れて多くの人に使われるようになりました。このモデルの出来が非常によかったため、MMDにおいては咲音メイコモデルがMEIKOとして一般的に使われています。その人気のきっかけとなったのが、咲音モデルの紹介動画であるこの動画でした。
人気が高まった事で後にクリプトン公認となり、ネットゲーム「スカッとゴルフ パンヤ」に登場した他、PSPゲーム「Project DIVA」でもネル・ハクと共に咲音メイコが登場しています。



 【MMD】 たこルカモデルMk-II公開
たこルカの新モデルを紹介するMMD動画です。
「たこルカ」は巡音ルカの派生キャラクターで、髪の毛が触手になった頭だけのタコのようなキモ可愛いクリーチャー(?)です。絵師の「さんぱち」さんがピアプロに投稿したイラストを元にしたキャラクターで、発祥は「省略しすぎたルカのデフォルメキャラ」でした。身体を省略したらタコに似ていたのでタコにしたそうです。その後、ルカの「持ち物戦争」を制して大人気になりました。
大抵は甲高く調声された声で歌ったり喋ったりし、マグロの「オオマさん」が(友達兼食べ物として)好きで、ルカのペットや相棒のようにデュエットしたり漫才したりしています。また、作品によっては大きさが宇宙規模まで伸縮自在だったり、クトゥルフ神話に組み込まれたりもしているようです。
クールなルカに代わってネタ方面を一手に引き受けている感じですが、何をやっていても幸せそうなのが癒しポイントでしょうか。「誤三家」(御三家のクリーチャー系亜種キャラ「たこルカ」「ゆっくり」「ののワさん」のこと)のボーカロイド代表として他ジャンルの作品に出張する事もあります。
現在はクリプトン公認亜種となり、ネットゲーム「スカッとゴルフ パンヤ」に登場したり、「たこルカチャーム」が発売予定だったりするようです。
「なんでタコ?持ち物戦争(2)」


「ミクの先輩後輩達・別ソフトのキャラクター」


2010/4/14更新 人気ブログランキングへ ←押してもらえると励みになりますm(_ _)m

テーマ : 初音ミク ジャンル : 音楽

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