2007.12.26 (Wed)
一般でのVOCALOID利用 ミクの出演するCM集
「初音ミク」はネット上で初めて成功したバーチャルアイドルとして、そのキャラクター面やニコニコ動画を中心とした創作ブームにのみ注目して語られることも多いですが、「自由に歌わせられる音楽ソフト・VOCALOID」としての初音ミクは今ではネット以外でも多く使われています。
最もよく聞くのはプロの作曲家による「仮歌シンガー」(楽譜を読めない歌手のために、あらかじめボーカルを吹き込むデモテープの歌い手。仮歌専門の歌手もいる)としての使用で、これは表には出ないタイプのものなので作品は残っていないものの、複数の作曲家によって業界で増えていることが語られています。
他には、楽曲のコーラスとしてボーカロイドが使用されることがあります。声を重ねる事でVOCALOIDらしい癖が消えるため、コーラスに使用するとほとんど人間と区別はできません。例としては、ミクではありませんが映画「パプリカ」のテーマ曲「白虎野の娘」で使用されたLOLAや、家庭用ゲーム「テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2」の戦闘音楽(バトル・アーティスト)でPRIMAが使用されていることが作者によって明かされています。
それ以外にも自由に歌わせられる「歌手」として使用される機会は増えていて、特に解りやすい例として、TVやラジオのCMでテーマソングを歌わせる使い方があります。これは、地方局で流される中小企業や公共団体のCMなどに多く、キャラクター名を前面に出して宣伝に利用するのでなければ商用利用に制限は無いので、安価で手軽で融通の利く歌手として初音ミクが使われることがあるようです。わざわざ歌手を手配する必要が無く、予算も時間も圧縮できるのは大きなメリットです。
キャラクターとしての初音ミクは関連商品や公式コラボ企画などで多くのCMや広告に出演していますが、今回は一般でのVOCALOID使用の例としてキャラクターを使っていない初音ミク出演CMを集めてみました。
あくまでネット上で見ることができるものだけを集めたので、おそらくこれ以外にもあると思います。
また、原則としてボーカロイド名は表記されていないため、「おそらく初音ミクの歌声だろう」というものも入っています。ミクの声は特徴的なので多分間違いないとは思いますが、違っていたら申し訳ない。
CMは、解る限りで放送開始日順に並べてあります。
【NKT】初音ミクがぶっピィ屋のCMで歌っていた【日本海テレビ】
鳥取などで放送しているローカル局「日本海テレビ」で流されていたCMで、日本海テレビのマスコットキャラクター「ぶっピィ」のグッズを販売する期間限定ぶっピィ屋のCMだそうです。名前は出ていないものの、おそらく初音ミクの歌声で間違いないと思います。これより短い前のバージョンが2007年12月始めごろに放送されていたという報告があり、これが今確認できる限りでは一番最初に初音ミクが出演したTVCMのようです。
【初の付くヒト】はじめてのラジオCM出演【祝・放送決定!】
業務用の販売情報管理システムを扱う「ビジコム」のCMで、2008年4月から千葉県のラジオ局「BAYFM」で放送されました。このCMは作られる過程が公開されていて、広告会社を通さないローコストで新しいCMとして、ビジコム代表の中馬氏によって作られました。最初はFM岡山に持ち込んだものの発声が不明瞭として放送を許可されず、その後ピアプロで協力者を得て改良され、BAYFMでの放送が実現したようです。ラジオCMなので、絵は動画投稿者が後付したものです。
ひたちなか市がミックミク「なかなかいいかな、ひたちなか」
茨城県が開発を進める「ひたちなか地区」のPR企画で作られたCMです。これは「茨城県企画部ひたちなか整備課」によって作られた10本のPR動画の一つで、TVではなくYouTubeひたちなか地区チャンネルで2008年9月から公開されています。直接の作者はCGM型CM制作サイト「filmo」で公募された一般クリエーターですが、公共機関のCMに初音ミクが使用された一例と言えると思います。
このCMはTV用ではありませんが、NHK総合のニュース番組の中で「広告費の減少と、より安い制作費でCMを作ろうとする新しい流れ」の代表例として取り上げられ、NHKで初めてミクの歌声が流れたという事で一時話題になりました。
タイの冷凍ギョウザCM
タイで日本料理を販売している企業「OISHI(オイシー)」の餃子のCMで、タイのセブンイレブンに置いてある商品のようです。ミクによる見事な日本語歌唱ですが、これは元は味の素のサイト「餃子応援団WEB」で公開されている「ギョーザるソング」であり、それを初音ミクに歌わせた動画がニコニコ動画に公開されているのですが、その音源が使われているのではないかとも言われています。OISHIは日系企業ではないようですが、正式に曲の使用許可を取っているのかは不明です。タイのCMなのに日本語の歌や文字が使われていますが、日本で英語が使われるようなもので、現在のタイでは日本語のCMが珍しくないのだそうです。さすがに初音ミクが歌うCMは珍しいでしょうが。
熊本ローカルCM13
熊本のローカルTVCMを集めた動画で、一番最初の「バイクショップR」CMの男女デュエットで女声の方が初音ミクに聞こえます。このCMがいつから放送されているのかは解りませんでしたが、少なくとも2009年3月には放送されていて、現在(2009年11月)も放送中のようです。男性の方は熱唱系なのに、ミクの方はいつもの間延びした感じなのでギャップがちょっと面白いです。
福井でやってる初音ミクが歌ってるCM
[CM] あそびま専科2のテーマ 唄:初音ミク
福井ローカルで放送されていた、パチンコ「あそびま専科2」のCMです。期間は詳しくはわかりませんが、2009年5月には流れていたようです。なかなか印象に残る面白いテーマソングですが、なによりイラストが目を引きます。このインパクトのあるイラストで、なぜか初音ミクがCMソングを歌っていて、しかもなんのCMか解らない(ググッてもほとんど情報が出てこない)というシュールさのために混乱する視聴者もいたようです。さらに、好評だったのか第二弾も作られたのだとか。不思議なCMです。
【初音ミク】静岡県交通安全協会【CM】
2009年9月に「静岡朝日テレビ」「SBSテレビ」で放送された、静岡県交通安全協会による交通安全キャンペーンのCMです。コメントによれば、静岡県の免許センターでもずっと流されていたそうです。
静岡といえば、VOCALOIDを開発したYAMAHAのお膝元・浜松がある県です。まあ、それとは特に関係ないとは思いますが、このCMのミクはかなり上手く歌っています。
イブニングeye
これはCMではありませんが、静岡ローカルのSBSテレビで放送されているニュース番組「イブニングeye」で、CM前に流れるジングルに初音ミクが使われています。これはSBSのアナウンサーがTwitterでコメントしているので、どうやら間違いないようです。短いジングルのために人間の歌手を雇うのは手間ですが、ボーカロイドなら曲と一緒にすぐに作れるので、ボーカロイドの利点を生かした使い方です。
しかし、SBSはボーカロイドの使用に積極的な気がします。やはりYAMAHAの地元だからでしょうか?
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最もよく聞くのはプロの作曲家による「仮歌シンガー」(楽譜を読めない歌手のために、あらかじめボーカルを吹き込むデモテープの歌い手。仮歌専門の歌手もいる)としての使用で、これは表には出ないタイプのものなので作品は残っていないものの、複数の作曲家によって業界で増えていることが語られています。
他には、楽曲のコーラスとしてボーカロイドが使用されることがあります。声を重ねる事でVOCALOIDらしい癖が消えるため、コーラスに使用するとほとんど人間と区別はできません。例としては、ミクではありませんが映画「パプリカ」のテーマ曲「白虎野の娘」で使用されたLOLAや、家庭用ゲーム「テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2」の戦闘音楽(バトル・アーティスト)でPRIMAが使用されていることが作者によって明かされています。
それ以外にも自由に歌わせられる「歌手」として使用される機会は増えていて、特に解りやすい例として、TVやラジオのCMでテーマソングを歌わせる使い方があります。これは、地方局で流される中小企業や公共団体のCMなどに多く、キャラクター名を前面に出して宣伝に利用するのでなければ商用利用に制限は無いので、安価で手軽で融通の利く歌手として初音ミクが使われることがあるようです。わざわざ歌手を手配する必要が無く、予算も時間も圧縮できるのは大きなメリットです。
キャラクターとしての初音ミクは関連商品や公式コラボ企画などで多くのCMや広告に出演していますが、今回は一般でのVOCALOID使用の例としてキャラクターを使っていない初音ミク出演CMを集めてみました。
あくまでネット上で見ることができるものだけを集めたので、おそらくこれ以外にもあると思います。
また、原則としてボーカロイド名は表記されていないため、「おそらく初音ミクの歌声だろう」というものも入っています。ミクの声は特徴的なので多分間違いないとは思いますが、違っていたら申し訳ない。
CMは、解る限りで放送開始日順に並べてあります。
【NKT】初音ミクがぶっピィ屋のCMで歌っていた【日本海テレビ】
鳥取などで放送しているローカル局「日本海テレビ」で流されていたCMで、日本海テレビのマスコットキャラクター「ぶっピィ」のグッズを販売する期間限定ぶっピィ屋のCMだそうです。名前は出ていないものの、おそらく初音ミクの歌声で間違いないと思います。これより短い前のバージョンが2007年12月始めごろに放送されていたという報告があり、これが今確認できる限りでは一番最初に初音ミクが出演したTVCMのようです。
【初の付くヒト】はじめてのラジオCM出演【祝・放送決定!】
業務用の販売情報管理システムを扱う「ビジコム」のCMで、2008年4月から千葉県のラジオ局「BAYFM」で放送されました。このCMは作られる過程が公開されていて、広告会社を通さないローコストで新しいCMとして、ビジコム代表の中馬氏によって作られました。最初はFM岡山に持ち込んだものの発声が不明瞭として放送を許可されず、その後ピアプロで協力者を得て改良され、BAYFMでの放送が実現したようです。ラジオCMなので、絵は動画投稿者が後付したものです。
ひたちなか市がミックミク「なかなかいいかな、ひたちなか」
茨城県が開発を進める「ひたちなか地区」のPR企画で作られたCMです。これは「茨城県企画部ひたちなか整備課」によって作られた10本のPR動画の一つで、TVではなくYouTubeひたちなか地区チャンネルで2008年9月から公開されています。直接の作者はCGM型CM制作サイト「filmo」で公募された一般クリエーターですが、公共機関のCMに初音ミクが使用された一例と言えると思います。
このCMはTV用ではありませんが、NHK総合のニュース番組の中で「広告費の減少と、より安い制作費でCMを作ろうとする新しい流れ」の代表例として取り上げられ、NHKで初めてミクの歌声が流れたという事で一時話題になりました。
タイの冷凍ギョウザCM
タイで日本料理を販売している企業「OISHI(オイシー)」の餃子のCMで、タイのセブンイレブンに置いてある商品のようです。ミクによる見事な日本語歌唱ですが、これは元は味の素のサイト「餃子応援団WEB」で公開されている「ギョーザるソング」であり、それを初音ミクに歌わせた動画がニコニコ動画に公開されているのですが、その音源が使われているのではないかとも言われています。OISHIは日系企業ではないようですが、正式に曲の使用許可を取っているのかは不明です。タイのCMなのに日本語の歌や文字が使われていますが、日本で英語が使われるようなもので、現在のタイでは日本語のCMが珍しくないのだそうです。さすがに初音ミクが歌うCMは珍しいでしょうが。
熊本ローカルCM13
熊本のローカルTVCMを集めた動画で、一番最初の「バイクショップR」CMの男女デュエットで女声の方が初音ミクに聞こえます。このCMがいつから放送されているのかは解りませんでしたが、少なくとも2009年3月には放送されていて、現在(2009年11月)も放送中のようです。男性の方は熱唱系なのに、ミクの方はいつもの間延びした感じなのでギャップがちょっと面白いです。
福井でやってる初音ミクが歌ってるCM
[CM] あそびま専科2のテーマ 唄:初音ミク
福井ローカルで放送されていた、パチンコ「あそびま専科2」のCMです。期間は詳しくはわかりませんが、2009年5月には流れていたようです。なかなか印象に残る面白いテーマソングですが、なによりイラストが目を引きます。このインパクトのあるイラストで、なぜか初音ミクがCMソングを歌っていて、しかもなんのCMか解らない(ググッてもほとんど情報が出てこない)というシュールさのために混乱する視聴者もいたようです。さらに、好評だったのか第二弾も作られたのだとか。不思議なCMです。
【初音ミク】静岡県交通安全協会【CM】
2009年9月に「静岡朝日テレビ」「SBSテレビ」で放送された、静岡県交通安全協会による交通安全キャンペーンのCMです。コメントによれば、静岡県の免許センターでもずっと流されていたそうです。
静岡といえば、VOCALOIDを開発したYAMAHAのお膝元・浜松がある県です。まあ、それとは特に関係ないとは思いますが、このCMのミクはかなり上手く歌っています。
イブニングeye
これはCMではありませんが、静岡ローカルのSBSテレビで放送されているニュース番組「イブニングeye」で、CM前に流れるジングルに初音ミクが使われています。これはSBSのアナウンサーがTwitterでコメントしているので、どうやら間違いないようです。短いジングルのために人間の歌手を雇うのは手間ですが、ボーカロイドなら曲と一緒にすぐに作れるので、ボーカロイドの利点を生かした使い方です。
しかし、SBSはボーカロイドの使用に積極的な気がします。やはりYAMAHAの地元だからでしょうか?

最近ボーカロイドに興味を持ち始めたのですが、
これはおもしろい記事ですね!
何気にボーカロイドは社会になじんできてるんだ…
これはおもしろい記事ですね!
何気にボーカロイドは社会になじんできてるんだ…
あっしゅ |
2010.10.26(火) 23:46 | URL |
【コメント編集】
手軽に歌ってくれるツールとしてのVOCALOIDも、次第に広がっているようです。VY1のような個性を抑えたVOCALOIDはこういう方面で活用されていくかもしれませんね。
sekise |
2010.10.29(金) 19:35 | URL |
【コメント編集】
わぁ~すごいです!!
私静岡にすんでてずぅっと、
イブニングeyeや交通安全のCMに
『ミクかなぁ・・・でもこんな身近に、
ミクが使われるわけないか・・・?』
って思ってたんですけど
そうだったんですね^^
わぁ~なんだかミクが身近で使われていると思うと
自分まで嬉しくなりますね!
私静岡にすんでてずぅっと、
イブニングeyeや交通安全のCMに
『ミクかなぁ・・・でもこんな身近に、
ミクが使われるわけないか・・・?』
って思ってたんですけど
そうだったんですね^^
わぁ~なんだかミクが身近で使われていると思うと
自分まで嬉しくなりますね!
てるみん |
2011.05.28(土) 22:36 | URL |
【コメント編集】
コメントありがとうございます
キャラクターや曲で評価されることが増えているミクですが、実用的な技術としてもいろんな場面で活用されていくと嬉しいですね
キャラクターや曲で評価されることが増えているミクですが、実用的な技術としてもいろんな場面で活用されていくと嬉しいですね
sekise |
2011.05.29(日) 12:56 | URL |
【コメント編集】
VOCALOIDについてのきちんとした歴史を見たいと思っていましたが、こんなにきれいにまとめてあるHPがあるとは知りませんでした。
とっても参考になります。
おつです。
ちなみに、LINKはフリーなのでしょうか?
とっても参考になります。
おつです。
ちなみに、LINKはフリーなのでしょうか?
コメントありがとうございます。元々ボーカロイドジャンルの歴史や特徴を、ボカロ初心者や外部の人にも解りやすくまとめて残したいと考えて始めたブログなので、少しでも参考になれば嬉しいです。
リンクはご自由にどうぞ
リンクはご自由にどうぞ
sekise |
2011.07.12(火) 01:37 | URL |
【コメント編集】
このコメントは管理人のみ閲覧できます
|
2011.07.12(火) 03:36 | |
【コメント編集】
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色々参考になります!!
また遊びに来させていただきます(^^♪