2007.12.22 (Sat)
初音ミクたちの実力を見る動画
初音ミクは、人に代わってボーカルを担当してくれる「歌うプログラム」ですが、使い手の細かい調整によってまったく違う歌い方になってしまいます。
上手く歌わせるには技術とコツが必要で、ニコニコ動画にアップされているミク関連の動画には、声の調整が足りなくてロボ声になってしまっているものも多くあります。
それはそれでVOCALOIDならではの魅力なのですが、VOCALOIDの大きな目標の一つである「人間の歌声に近づく」事を目指した作品は「神調教」と呼ばれ、VOCALOIDの技術的な凄さを知る事ができます。
ここでは、初音ミクを始めとするボーカロイド達が本気だとどこまで出来るかが解る動画を選んでみました。
声の違いが解りやすいように7種類のボーカロイドから各一曲ずつ、カバー曲のみです。
初音ミクが本気で「奇跡の海」 を歌ってくれた(Ver.1.1-Release)
かつて多くのミクファンを驚愕させた、高クオリティのカバー曲。まさに本気です。
本物との比較版を聞いてみても、すぐにはどちらが人間の声か聞き分けられないのではないでしょうか?後に「ぼかりす」「ぼかんないんです><」が現れるまではこの作品が「神調教」の代名詞とされていて、今でも人間に近い調教の作品は、この動画と比べて語られる事があります。
「CV01初音ミク」はボーカロイドシリーズの中で最も扱いやすく、透き通った声で滑らかに歌う事ができます。無調整の所謂「ベタ打ち」での滑舌の良さは、全ボーカロイド中で最高と言われます。
しかし、声がか細く、パラメーター操作が効きにくいため汎用性に欠けるという欠点があります。
その欠点は、逆にミクだけの魅力に繋がってもいて、初音ミクがバーチャルアイドルとして前例のない人気を獲得した原因の一つでもあるのですが、何を歌っても「ミクが歌っている」感じになってしまうので、人間らしく歌う事を目指す場合は曲を選んでしまいます。
この作品は、大変な手間と技術を注いで、原曲の人間の声に似せる事だけを追求した結果生まれた名作です。
「くじら12号」と並んで、初期の初音ミク二大リアル系作品と言えます。
→「初音ミクのキャラクター」、「初音ミクの代表曲」へ
【本気MEIKO】 Dearest (pf mix) 【カバー曲】
画期的な調声技術革新をもたらした「ぼかりす騒動」の時に生まれた名作で、VOCALOID1「MEIKO」が歌う「Dearest」カバーです。
MEIKOは日本語ボーカロイドファミリーの長姉とも言える存在で、初音ミクよりも旧世代の技術を使った日本初のVOCALOIDです。そのため新型のVOCALOID2の妹達に比べると扱いが難しく、機械っぽい特徴を消して自然に歌わせるのは熟練の技術が必要だと言われています。
しかし、MEIKOの声にはミクには出せないパワーがあり、使いこなせれば汎用性はMEIKOのほうが高いため、古くからのDTM愛好家の中には今でもMEIKOを好んで使う人が多くいます。
この歌は、謎の技術「ぼかりす」を解析して作者が編み出した調教法「ぼかんないんです><」によって作られた作品で、歌声に人間らしい抑揚があり、特にサビの高音はMEIKOならではの力強さで印象的です。
→「ミクのお姉さん・MEIKO」、「人に近付くミクの歌声 ぼかりす騒動」へ
【KAITO】メモリー【CATS】
ミュージカルキャッツより、「娼婦猫グリザベラの歌」のカバーです。KAITOの特徴であるやさしい歌声で、まるで人間が歌っているように滑らかに歌い上げています。
KAITOはMEIKOの次に発売された男声ボーカロイドで、MEIKOと同じく旧式のVOCALOID1エンジンを使用しています。その独特な、気の抜けたような高い歌声もあってMEIKO以上に扱いづらく、ほとんど使う人はいませんでした。
しかし、初音ミクのヒットとともに唯一の男声ボーカロイドとしてKAITOも見直され、調整しだいで優しく柔らかに響く歌声を使いこなす作者も現れ始めました。
KAITO標準の歌声は汎用性には欠けるものの、「白虎野の娘」や「島唄」など、民謡や民族音楽風の曲で真価を発揮します。また、パラメーターの調整が効きやすいというVOCALOID1の特性を使いこなせれば、まったく違う様々な歌声を作り出す事もできるようです。
→「ミクのお兄さん・KAITO」へ
【鏡音リン】「ガンバランスdeダンス」【Short Ver.】
アニメ「プリキュア」シリーズのED曲を、リンでカバーした動画です。
明るく元気な曲がリンの歌声とよく合っていて、調声も自然で人間らしいカバーになっています。
鏡音リンは、初音ミクと同じVOCALOID2「CVシリーズ」2番目のボーカロイドなのですが、ミクと比べるととても扱いづらく、普通に歌わせただけでは発音が訛ってしまうなど問題も多いボーカロイドでした。
そのため、半年後にバージョンアップ版の「ACT2」が発売されています。
元々リンの声はリアル系というよりはアニメ系・声優系の歌とよく合いますが、こういった曲では特に真価を発揮するようです。ミクよりもハキハキしてパワフルで、ちょっと子供っぽい歌声の特徴が解ると思います。
→「ミクの妹・鏡音リン」へ
【鏡音レン】「君は僕に似ている」を歌ってもらった【鏡音リン】
「ガンダムSEED_DESTINY」のOP「君は僕に似ている」を「CV02鏡音レン」がカバーした動画です。リンもコーラスで参加しています。
レンは、リンと対になる男声のボーカロイド(声優は同じ)で、他のボーカロイドにはない中性的な少年の歌声を持っています。
しかし、その扱いはリン以上に難しく、どう調整しても鼻声になってしまう癖の強いボーカロイドなので、使いこなすのは大変なようです。それでも、レンにしか出せない魅力的な少年声にファンは多く、独自の調教法でレンを使いこなしている職人も多く存在します。
この曲は、レンの歌声の長所を生かしつつ不自然さを消していて、機械的な特徴はほとんど残っていません。曲の内容も鏡音姉弟のデュエットにピッタリです。
→「ミクの弟・鏡音レン」へ
【VOCALOIDカバー曲】粉雪(修正版)【feat.神威がくぽ】
「がくっぽいど」が歌う、ニコニコ動画でも人気の名曲「粉雪」のカバーです。
がくっぽいどは、初音ミクを始めとするCVシリーズと同じVOCALOID2エンジンで作られていますが、そのコンセプトは大きく異なり、元になった歌手の声をできるだけ忠実に再現するように作られています。
初音ミクに匹敵するほど扱いやすく、調整無しでもGacktにそっくりの声で滑らかに歌ってくれるのが特徴です。
しかし、どんなに上手く調整してもGacktそのものの歌声にはなれず、それでいてGacktのクセのある歌い方や声を変えることはほとんどできないという中途半端さが欠点と言えます。
それでも、渋い男声ボーカルが必要な曲にはKAITOやレンよりも向いており、この「粉雪」のようにがくっぽいどの声を生かした、優れた調教の曲も多く存在します。
→「侍ボーカロイド・神威がくぽ」へ
【巡音ルカ】「磁力ビギン」ゲルニカ【カバー曲】
CVシリーズ第三のVOCALOID「CV03巡音ルカ」による、1980年代のグループ「ゲルニカ」のカバーです。
巡音ルカは、ミクやリンよりもリアルで大人っぽい歌声を持ち、比較的低音に強いのが特徴のボーカロイドです。また、日本製のボーカロイドでは初めて英語の発音にも対応した、大容量バイリンガルボーカロイドでもあります。
無調整だといくつかの音で巻き舌のような癖が出てしまう欠点がありますが、使い手によっては人間とほとんど区別が付かない滑らかな歌唱が可能です。
ルカの歌声はなぜか古い歌と良く合うようで、「月の浜辺」「Funiculì, funiculà」など、古い曲の神調教カバーが多く作られています。
この動画の作者「みろんP」は高い調教技術を持つルカ使いで、ボーカロイドとは思えない伸びやかで力強い歌声や、巻き舌の再現などが視聴者を驚かせました。
→「ミクの最後の妹・巡音ルカ」へ
【カバー】GUMIで「君の知らない物語」【supercell】
声優・中島愛さんの声を元にしたボーカロイド「メグッポイド」によるカバーで、曲はアニメ「化物語」EDテーマ「君の知らない物語」です。
がくっぽいどと同じインターネット社「AVシリーズ」第二弾として発売された「メグッポイド」(キャラクター名「GUMI」)は、がくっぽいどと同じく元になったアーティストの声を忠実に再現するように作られています。その声のリアルさはボーカロイドの中でも最高クラスと言われていて、がくっぽいどのような癖も少なく使いやすい歌声をしています。
欠点としては、滑舌が悪くなりやすい事と、声にあまりパワーが無いことがあるようです。
→「がくぽの妹・GUMI」へ
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上手く歌わせるには技術とコツが必要で、ニコニコ動画にアップされているミク関連の動画には、声の調整が足りなくてロボ声になってしまっているものも多くあります。
それはそれでVOCALOIDならではの魅力なのですが、VOCALOIDの大きな目標の一つである「人間の歌声に近づく」事を目指した作品は「神調教」と呼ばれ、VOCALOIDの技術的な凄さを知る事ができます。
ここでは、初音ミクを始めとするボーカロイド達が本気だとどこまで出来るかが解る動画を選んでみました。
声の違いが解りやすいように7種類のボーカロイドから各一曲ずつ、カバー曲のみです。
初音ミクが本気で「奇跡の海」 を歌ってくれた(Ver.1.1-Release)
かつて多くのミクファンを驚愕させた、高クオリティのカバー曲。まさに本気です。
本物との比較版を聞いてみても、すぐにはどちらが人間の声か聞き分けられないのではないでしょうか?後に「ぼかりす」「ぼかんないんです><」が現れるまではこの作品が「神調教」の代名詞とされていて、今でも人間に近い調教の作品は、この動画と比べて語られる事があります。
「CV01初音ミク」はボーカロイドシリーズの中で最も扱いやすく、透き通った声で滑らかに歌う事ができます。無調整の所謂「ベタ打ち」での滑舌の良さは、全ボーカロイド中で最高と言われます。
しかし、声がか細く、パラメーター操作が効きにくいため汎用性に欠けるという欠点があります。
その欠点は、逆にミクだけの魅力に繋がってもいて、初音ミクがバーチャルアイドルとして前例のない人気を獲得した原因の一つでもあるのですが、何を歌っても「ミクが歌っている」感じになってしまうので、人間らしく歌う事を目指す場合は曲を選んでしまいます。
この作品は、大変な手間と技術を注いで、原曲の人間の声に似せる事だけを追求した結果生まれた名作です。
「くじら12号」と並んで、初期の初音ミク二大リアル系作品と言えます。
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【本気MEIKO】 Dearest (pf mix) 【カバー曲】
画期的な調声技術革新をもたらした「ぼかりす騒動」の時に生まれた名作で、VOCALOID1「MEIKO」が歌う「Dearest」カバーです。
MEIKOは日本語ボーカロイドファミリーの長姉とも言える存在で、初音ミクよりも旧世代の技術を使った日本初のVOCALOIDです。そのため新型のVOCALOID2の妹達に比べると扱いが難しく、機械っぽい特徴を消して自然に歌わせるのは熟練の技術が必要だと言われています。
しかし、MEIKOの声にはミクには出せないパワーがあり、使いこなせれば汎用性はMEIKOのほうが高いため、古くからのDTM愛好家の中には今でもMEIKOを好んで使う人が多くいます。
この歌は、謎の技術「ぼかりす」を解析して作者が編み出した調教法「ぼかんないんです><」によって作られた作品で、歌声に人間らしい抑揚があり、特にサビの高音はMEIKOならではの力強さで印象的です。
→「ミクのお姉さん・MEIKO」、「人に近付くミクの歌声 ぼかりす騒動」へ
【KAITO】メモリー【CATS】
ミュージカルキャッツより、「娼婦猫グリザベラの歌」のカバーです。KAITOの特徴であるやさしい歌声で、まるで人間が歌っているように滑らかに歌い上げています。
KAITOはMEIKOの次に発売された男声ボーカロイドで、MEIKOと同じく旧式のVOCALOID1エンジンを使用しています。その独特な、気の抜けたような高い歌声もあってMEIKO以上に扱いづらく、ほとんど使う人はいませんでした。
しかし、初音ミクのヒットとともに唯一の男声ボーカロイドとしてKAITOも見直され、調整しだいで優しく柔らかに響く歌声を使いこなす作者も現れ始めました。
KAITO標準の歌声は汎用性には欠けるものの、「白虎野の娘」や「島唄」など、民謡や民族音楽風の曲で真価を発揮します。また、パラメーターの調整が効きやすいというVOCALOID1の特性を使いこなせれば、まったく違う様々な歌声を作り出す事もできるようです。
→「ミクのお兄さん・KAITO」へ
【鏡音リン】「ガンバランスdeダンス」【Short Ver.】
アニメ「プリキュア」シリーズのED曲を、リンでカバーした動画です。
明るく元気な曲がリンの歌声とよく合っていて、調声も自然で人間らしいカバーになっています。
鏡音リンは、初音ミクと同じVOCALOID2「CVシリーズ」2番目のボーカロイドなのですが、ミクと比べるととても扱いづらく、普通に歌わせただけでは発音が訛ってしまうなど問題も多いボーカロイドでした。
そのため、半年後にバージョンアップ版の「ACT2」が発売されています。
元々リンの声はリアル系というよりはアニメ系・声優系の歌とよく合いますが、こういった曲では特に真価を発揮するようです。ミクよりもハキハキしてパワフルで、ちょっと子供っぽい歌声の特徴が解ると思います。
→「ミクの妹・鏡音リン」へ
【鏡音レン】「君は僕に似ている」を歌ってもらった【鏡音リン】
「ガンダムSEED_DESTINY」のOP「君は僕に似ている」を「CV02鏡音レン」がカバーした動画です。リンもコーラスで参加しています。
レンは、リンと対になる男声のボーカロイド(声優は同じ)で、他のボーカロイドにはない中性的な少年の歌声を持っています。
しかし、その扱いはリン以上に難しく、どう調整しても鼻声になってしまう癖の強いボーカロイドなので、使いこなすのは大変なようです。それでも、レンにしか出せない魅力的な少年声にファンは多く、独自の調教法でレンを使いこなしている職人も多く存在します。
この曲は、レンの歌声の長所を生かしつつ不自然さを消していて、機械的な特徴はほとんど残っていません。曲の内容も鏡音姉弟のデュエットにピッタリです。
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【VOCALOIDカバー曲】粉雪(修正版)【feat.神威がくぽ】
「がくっぽいど」が歌う、ニコニコ動画でも人気の名曲「粉雪」のカバーです。
がくっぽいどは、初音ミクを始めとするCVシリーズと同じVOCALOID2エンジンで作られていますが、そのコンセプトは大きく異なり、元になった歌手の声をできるだけ忠実に再現するように作られています。
初音ミクに匹敵するほど扱いやすく、調整無しでもGacktにそっくりの声で滑らかに歌ってくれるのが特徴です。
しかし、どんなに上手く調整してもGacktそのものの歌声にはなれず、それでいてGacktのクセのある歌い方や声を変えることはほとんどできないという中途半端さが欠点と言えます。
それでも、渋い男声ボーカルが必要な曲にはKAITOやレンよりも向いており、この「粉雪」のようにがくっぽいどの声を生かした、優れた調教の曲も多く存在します。
→「侍ボーカロイド・神威がくぽ」へ
【巡音ルカ】「磁力ビギン」ゲルニカ【カバー曲】
CVシリーズ第三のVOCALOID「CV03巡音ルカ」による、1980年代のグループ「ゲルニカ」のカバーです。
巡音ルカは、ミクやリンよりもリアルで大人っぽい歌声を持ち、比較的低音に強いのが特徴のボーカロイドです。また、日本製のボーカロイドでは初めて英語の発音にも対応した、大容量バイリンガルボーカロイドでもあります。
無調整だといくつかの音で巻き舌のような癖が出てしまう欠点がありますが、使い手によっては人間とほとんど区別が付かない滑らかな歌唱が可能です。
ルカの歌声はなぜか古い歌と良く合うようで、「月の浜辺」「Funiculì, funiculà」など、古い曲の神調教カバーが多く作られています。
この動画の作者「みろんP」は高い調教技術を持つルカ使いで、ボーカロイドとは思えない伸びやかで力強い歌声や、巻き舌の再現などが視聴者を驚かせました。
→「ミクの最後の妹・巡音ルカ」へ
【カバー】GUMIで「君の知らない物語」【supercell】
声優・中島愛さんの声を元にしたボーカロイド「メグッポイド」によるカバーで、曲はアニメ「化物語」EDテーマ「君の知らない物語」です。
がくっぽいどと同じインターネット社「AVシリーズ」第二弾として発売された「メグッポイド」(キャラクター名「GUMI」)は、がくっぽいどと同じく元になったアーティストの声を忠実に再現するように作られています。その声のリアルさはボーカロイドの中でも最高クラスと言われていて、がくっぽいどのような癖も少なく使いやすい歌声をしています。
欠点としては、滑舌が悪くなりやすい事と、声にあまりパワーが無いことがあるようです。
→「がくぽの妹・GUMI」へ

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