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2008.03.28 (Fri)

ミクの先輩後輩達・別ソフトのキャラクター

「二次創作から公認へ・ボーカロイド亜種」では、ユーザーがボーカロイドを元にして作り出し定着した二次創作キャラクターを挙げましたが、ボーカロイドファミリーとして登場するキャラクターの中にはVOCALOIDとは別の音楽ソフトのキャラクター達もいます。
初音ミクよりも先にニコニコ動画で人気のあった「ディレイ・ラマ」「くまうた」などは、ソフトの性質が似ているためかブーム初期にはミクと比べられる事も多く、PVなどで共演する機会が多かったキャラクターです。ニコニコ動画でのミクたちの先輩と言えます。
また、初音ミクのブームが広く知られるようになってからは、その成功に影響されて、後に続くようにいくつものキャラクターが作り出されました。これらもボーカロイドを意識したデザインが多く亜種の一種とも言えますが、それぞれVOCALOIDとは別のソフトを象徴するキャラクターで、ボーカロイドの後輩的なキャラと言えるかもしれません。
ここでは、ボーカロイドブームの中で動画に登場する機会の多い、他ソフトのキャラクターを紹介したいと思います。




 くまうた(35) 『それぞれ』 唄:白熊カオス
カルトな人気のPS2ゲーム「くまうた」の動画で、サブ北島さんが「白熊カオス」に歌わせた作品です。
2003年発売の「くまうた」は、曲は選べないものの自分で作った歌詞を白熊に歌わせる事ができるゲームで、ある意味VOCALOIDの先輩ともいえるソフトです。
ニコニコ動画でくまうた動画を発表している作者は数人いますが、中でも「白熊カオス」は度々ボーカロイドをテーマにした歌を歌い、その渋い低音と歌詞のセンスとロリコン紳士ぶりでボーカロイドファンの中では最も有名な白熊になりました。
ファミリーの一員としてPVMMD動画などで共演する事も多く、「師匠」と呼ばれて愛されているようです。
→白熊カオスについて詳しくは「ミクの大先輩?・白熊カオス」



 僧侶のアクエリオン
「DelayLama」(ディレイラマ)という海外のフリーソフトで「創世のアクエリオン」を歌わせた動画です。
ディレイラマは2002年に公開された人声シンセサイザーで、チベット仏教僧のキャラクターが表示されて読経のように歌う事から「僧侶」とも呼ばれます。
ディレイラマに歌わせる動画は一時ニコニコ動画で人気が出たことがあり、VOCALOIDとは直接関係ないソフトですが、初音ミク発売以前のニコニコ動画ではほとんど一緒の扱いでした。ミク発売後も度々動画で共演する事があり、ボーカロイドにちなんで「坊歌ロイド」とも呼ばれます。
聞いての通りディレイラマは「あーうーおー」ぐらいしか発音できないので、何を歌わせても笑えるネタ動画になってしまうという特徴があります。非常にニコニコ向けのツールと言えるでしょう。
ディレイラマは3つ並べて合唱させる事が多く、それぞれ名前と役割も決まっています。左からヒ・ダリ/メ・イン/ハモ・リーで、ヒ・ダリはほとんど働かないのに美味しいところだけ持っていくのがお約束になっているようです。



 UTAUオリジナル「石碑」(MMDデフォ子PV)
フリーの歌声合成ツール「UTAU」のデフォルト音源「デフォ子」(唄音ウタ)の歌うオリジナル曲に、MMDでPVを付けたものです。
UTAUはVOCALOIDと似た機能を持った歌うフリーソフトで、歌声の自然さではVOCALOIDに及ばないものの、無数の音源とキャラクターを持ち、いくらでも増やして行けるのが最大の特長です。
その発祥は「人力VOCALOID支援ソフト」として作られたものでしたが、テトを音源として迎えた事でボーカロイドブームの一部として発展して行きました。UTAUキャラクターもボーカロイドを意識して作られたものが多いですが、UTAUならではの自由度の高さを生かして、斬新なデザインと設定のキャラクターも多く存在します。
UTAUキャラクターはとにかく数が多いのでとても紹介し切れませんが、ボーカロイド亜種でもありUTAUを代表する音源でもある「重音テト」の他、「デフォ子」「桃音モモ」「天音ルナ」「和音マコ」など多くのキャラクターが、MMDでボーカロイドと共演しています。
→UTAUについて詳しくは「無料ボーカロイド? UTAUファミリー」



 【MikuMikuDance】 NA☆な! Mac音ナナ
Mac音ナナオリジナル曲「NA☆な! Mac音ナナ」にMMDのダンスPVを付けた動画です。なにやら不思議な踊り(?)をしていますが、MMDMac音ナナモデルの紹介がメインです。
「Mac音(まくね)ナナ」はMac専門雑誌「Mac Fan」の「Mac版ボーカロイドを作ろう。Mac音ミク」という誌上企画から生まれた音声素材集で、Macユーザーである声優・池澤春菜さんの全面協力を得て作られました。
Reasonで使える完全版の「Mac音ナナ」と、GarageBandやUTAUなどで使える簡易版の「Mac音ナナPetit」があり、それぞれのキャラクターも設定されています。ニコニコ動画では普及率や手間の面でUTAU音源として使われることが多いですが、この動画で使われているのはReasonで作られた正式版Mac音ナナの歌です。
デザイン的には緑の髪が特徴的で、巨乳キャラ(正式版)とロリキャラ(Petit)という二つの姿を持っています。一挙両得です。発祥からしてそうですが、名前やデザイン的にもボーカロイド(CVシリーズ)を意識して作られているようです。
キャラクターの個性としては、公式では「ちょっとおしゃまなおてんば娘」とされていますが、特に定着したキャラクターはまだないようです。持ち物は多分リンゴだと思います。アップルだし。
ボーカロイドとの共演はまだ多くはありませんが、デュエット曲などが作られています。
→UTAU音源としてのMac音ナナについては「無料ボーカロイド? UTAUファミリー」
Mac ソフトのことなら act2.com



 【FL-chan】 『Zitabata Candy』 Fruity Dance動画 【オリジナル曲】
DAWソフト「FLStudio」のマスコットキャラクター「FL-Chan」が、オリジナル曲に合わせてパタパタと踊る動画で、作者はFL-Chanをデザインした「uruido」さん本人です。
DAWとは楽曲を作ったり編集したりするためのDTMソフトで、DTMで曲を作るためには最低でもこのDAWソフトと、ソフトウェア音源(VOCALOIDもこの一種)が必要になります。
その中でも「FLStudio」は、下の「MusicMaker」と並んでDTM初級者にもよく使われる代表的なDAWソフトの一つで、慣れれば中級者以上でも使える性能でありながら低価格・ほとんどの機能が使える無料デモ版など、ユーザーに優しい仕様で愛用者の多いソフトです。
しかし、このソフトの開発者である「GOL」さんが日本の初音ミクを見て「FLにも初音ミクみたいなマスコットが欲しいなぁ」とフォーラムで発言。それを聞いた日本人の「uruido」さんがマスコットキャラのイラストを描いてみたところGOLさんが本気で気に入ってしまい、そのまま正式に発注されてマスコットキャラ「FL-Chan」として採用されてしまいました。
しかも、FL-Chanは単に一画面でイラストが表示されるといったレベルではなく、操作のたびに一々可愛いアクションをしたり、曲に合わせて踊り狂ったりとかなり存在感があり、真面目で歴史あるDAWソフトが一気にファンシーなソフトになってしまったと昔からの愛用者を唖然とさせました。(表示のON/OFFはありますが、日本語版ではデフォルトでONになっています) 賛否両論もあったようですが、開発者のGOLさんは意に介さずに、今はノリノリでFL-Chanの家族キャラクターの設定を作っているそうです。愉快な人だ。
ニコニコ動画でのFL-Chan動画はそれほど多くはありませんが、MMDキオ式3DPVでボーカロイドと共演しているのがよく見られます。とにかくよく踊るマスコットです。



 【jamバンド】 MusicMaker2で「MusicMaker」って曲を作ってみた 【鏡音リン】
DAWソフト「MusicMaker2」及びイメージキャラクター「jamバンド」の紹介と、オリジナル曲「MusicMaker」も収録した動画です。
AHS社「MusicMaker」はFLStudioと同じDAWソフトで、1万円前後という低価格とは思えない本格的な性能を持ち、ピッチ補正機能や動画編集、自動作曲など様々な付属機能がパッケージングされています。豊富な内臓音源や音楽素材も入っていて、初心者向けとしては特に評価が高いDAWです。
明らかにボーカロイド使用者を意識したイメージキャラクター「jamバンド」がパッケージにデザインされたバージョンも発売していて、その狙いすぎたキャラクター設定などでも話題になりました。
jamバンドは「弦巻マキ」「天音カナ」「鼓リズム」「鼓カノン」の四人組で、「初音ミクのバックバンド」という設定のようです。それぞれに口癖や性格が設定されていて、公式サイトでは声優によるセリフ素材集がダウンロードできます。
また、jamバンド版パッケージ(Music Maker Producer Edition)の特典も「声優によるjamバンドオリジナルドラマCD」「キャラクター着せ替えマウスパッド」「jamバンドオリジナルトレーディングカード」と、もはや何のソフトなのかわからない状態になっています。エロゲ?
あからさまな便乗と言われたりもしますが、ここまで徹底されると逆に応援したくなります。元々ソフト自体は真面目で多機能なので、初心者に薦めるDAWとしては最も多く名前が挙がるソフトです。
ニコニコ動画でキャラクターとしてのjamバンドが登場する動画は多くありませんが、設定通りボーカロイドのバックバンドとしてイラストが使われることがあります。また、なぜか鼓リズムだけがMMDモデルとして移植されています。
このMusicMaker発売元のAHS社はよほどボーカロイドが好きなようで、自社の音楽ソフトに無理やり登場させるだけでなく、ついには国内3番目のVOCALOID開発会社として「開発コードmiki」「氷山キヨテル」「歌愛ユキ」を発売する事になりました。



 Hボイス制作ソフト作ってみた【同人】
作者自身による「阿久女イク」の紹介動画です。なんだか説明の歯切れが悪いのは、ニコニコ動画の規約違反にならないように、直接的なエロ要素を避けているためだと思われます。
「MAIDLOID・阿久女(あくめ)イク」は、初音ミクやVOCALOIDを模倣?して同人サークル「StudioS」が作った、「Hな言葉を喋らせる専用の音声ソフト」です。もちろん激しく18禁です。
収録された無数のエロ系単語や喘ぎ声を自由に繋ぎ合わせて喋らせるというソフトで、ボーカロイドを元にしているとは言っても歌うわけではありません。人力VOCALOIDの技術を使って無理やり歌わせている作品もありますが、どうやっても喘ぎ声混じりになってしまうようです。まあ、そのためのソフトなんですが。
キャラクターの阿久女イクは、緑髪のポニーテールにタマネギのアクセサリーを付けたメイドの姿で、性格などは特に設定されていないようです。
ボーカロイドとの共演としては、ボーカロイドオリジナル曲をイクに歌わせるネタ的なものが主流でしたが、MMDに阿久女イクモデルが登場したので、今後は様々な共演が増えていくかもしれません。


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テーマ : ボーカロイド ジャンル : 音楽

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*Comment

■イタコロイド(?)

イタコロイド(?)の灰汁江(Aques Tone)も面白いですね。
独特の雰囲気があると思います。
どこかのnekoさん |  2009.07.27(月) 16:37 |  URL |  【コメント編集】

■Re: イタコロイド(?)

たしかに、あれもここで挙げたのと同じタイプのキャラですね。
結構歌えるし、いくつか動画もあったと思いますが、まだ知名度が・・・
使い手が増えれば、今後作品も増えていくかも知れませんな。ちょっとキャラ怖いけど。
sekise |  2009.07.27(月) 17:17 |  URL |  【コメント編集】

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 |  2011.03.17(木) 09:01 |   |  【コメント編集】

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