2008.03.25 (Tue)
海外製のボーカロイドたち
初音ミクたちと同じエンジンを使用している、海外製のVOCALOIDです。
YAMAHAで開発された「VOCALOIDエンジン」を使用したソフトを発売している会社は世界で6社あり、日本の「クリプトン・フューチャー・メディア」「インターネット」「AHS」「キューンレコード」が日本語VOCALOIDを。イギリスの「Zero-G」とスウェーデンの「Power-FX」が英語VOCALOIDを製作・販売しています。
2004年に世界で始めて製品化されたVOCALOID「LOLA」「LEON」から、最新のVOCALOID2
「Tonio」まで様々な英語VOCALOIDがありますが、日本語には対応していないのであまり聞く機会はないかもしれません。
元々は、YAMAHAで開発中だったVOCALOID技術に注目していたクリプトン社が、取引先で付き合いのあった「Zero-G」社をYAMAHAに紹介したのがこれら海外製VOCALOID発売のきっかけとなりました。
海外製のVOCALOIDソフトは、発売順に「LEON」「LOLA」「MIRIAM」の3種類。
VOCALOID2は、発売順に「SweetAnn」「Prima」「SONIKA」「BIG AL」「Tonio」の5種類が発売されています。
【SweetAnn】「Night of the Magic (Original MX)」【オリジナル曲】
ベテランDTM職人shu-tPによる、SweetAnnオリジナル曲です。アーケードゲーム「初音ミク Project DIVA Arcade」のOPムービー曲にも採用されています。
「SweetAnn(スウィート・アン)」はスウェーデンPower-FX社初のVOCALOID製品で、初音ミクとほぼ同時期の2007年8月に発売されました。音声提供者は、VOCALOIDの開発段階から関わっていたというオーストラリアのシンガー「Jody」さんです。
「SweetAnn」は英語VOCALOIDの中では比較的高性能と言われていて、ニコニコ動画でも最も多く使われています。とはいえ英語専用なので日本語ボーカロイド達と比べればかなり少なく、オリジナル曲となると極小数しか作られていません。
Annの特徴はCVシリーズより太くてパワーのある歌声で、英語も比較的明瞭に発音します。
一応日本語も歌わせる事はできますが、あくまで英語用ボーカロイドなので「外国訛りの変な日本語」になってしまいます。用途が違うので当然なのですが、有志によって作られた、英語VOCALOIDに日本語を歌わせるための辞書「ボーカフォネティック」というものもあり、それを使って真面目に日本語で歌わせている作者もいます。
Annはパッケージイラストが怖いことでも有名で、とにかく顔が濃い上に「歌う人造人間」がキャラクターのコンセプトらしく、フランケンシュタインのような縫い目までついています。真面目な曲に使う場合は、ほとんどオリジナルの捏造イラスト「脳内アン」が使われたりします。
あまりに日本で不評だったためか、パッケージとイラストをリニューアルする計画もあるのだそうです。
この動画の作者shu-tPは、LOLAやMIRIAMが初めて発売された2004年にはもう使いこなしてオリジナル曲を歌わせていたベテランで、VOCALOID使いとしては最古参と言えます。KAITOの名付け親でもあります。ニコニコ動画ではMEIKOマスターとして知られていますが海外VOCALOID作品もクオリティが高く、Annの他にもMIRIAM・LOLA・Primaでも曲を発表しています。しかし、残念な事にLOLA、MIRIAM、KAITOはもう手放してしまったそうです。


Big Al That'll be the day
PowerFX社の英語VOCALOID「Big Al(ビッグ・アル)」によるカバー作品で、作者はスペインのボーカロイド職人「Giuseppe」さんです。
「Big Al」はPower-FX社二番目のVOCALOIDで、「Frank Sanderson」というアーティストの声を元にして作られた、「SweetAnn」と対になる男声ボーカロイドです。
最大の特徴はVOCALOIDの技術では難しいとされていた低音男声に特化した歌声を持つことで、男声ボーカロイド特有の癖は多少残っているものの、他には無い渋い低音で歌う事が出来ます。
名前と声のサンプルだけはAnnが発売されてすぐに公開されていたのですが、それから発売までに2年近くもの長い時間がかかっています。その間に初期デモとは歌手が変更になり、キャラクターデザインも当初のフランケンシュタイン的なリアルなイラストから、日本のユーザーを意識したと思われるアニメ的キャラクターに変更されました。紆余曲折を経て発売された製品版「Big Al」は当初とは声もキャラクターも変わってしまいましたが、低音を重視した無二のVOCALOIDである事は変わらず、ニコニコ動画でも少なくない数の作品が作られています。
この動画の作者の「Giuseppe」さんは、主にYouTubeと自サイトで活動しているベテランVOCALOID作者で、「Big Al」の公式デモソングも彼の作品ではないかといわれています。「Big Al」の他にも日本製を含む多くのVOCALOIDを所有していて、Annにスペイン語を歌わせたり、ミクに英語を歌わせたり、ソニカに日本語を歌わせたりもしています。
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【Prima】You Raise Me Up を歌わせてみた【VOCALOID2】
Zero-G社の「Prima(プリマ)」で「You Raise Me Up」をカバーした作品です。
Primaは、Annと同じくVOCALOID2エンジンを使った英語VOCALOIDで、オペラ歌手の音声を元に作られています。2008年1月の発売日前に素晴らしいデモ曲が公開されていて、ボーカロイドブーム以降初めて発売される英語VOCALOIDである事もあって注目を集めましたが、実際使ってみると発音が不明瞭で調整が難しく、初期のリン・レン以上に使いにくいと言われています。
しかし、オペラ歌手をサンプリングしたというその歌声は美しく、高音の伸びや滑らかさはCVシリーズでも出せないものです。
この曲も、声は大変綺麗なのですが、英語の発音に多少問題があるようです。まあ、英語聞き取れないんであんまり関係ないですが。
Tonio オリジナル曲 『Solowing』
ニコニコ動画でも数少ない海外VOCALOID使いの一人andromecaさんによるオリジナル曲で、Zero-G社の男声VOCALOID「Tonio(トニオ)」が使用されています。
Tonioは男性オペラ歌手の声を元に作られたVOCALOID2で、同じく女声オペラ歌手を元にしたPrimaと対になるVOCALOIDとして作られました。貴重な男声VOCALOIDであり、オペラ歌手ならではの美しいバリトン・テノールの歌声を持ちますが、癖も強くPrimaほどではないにしろ扱いにくいVOCALOIDとされています。より個性の強いBig Alもあるためか、残念ながらニコニコ動画でもまだ作品数は多くないようです。
作者のandromecaさんは海外製VOCALOID(主にAnnとSONIKA)でオリジナル曲を多く発表している人で、自作イラストのAnnを使用した動画を最初にヒットさせてAnnの認知度を高めた事から、「脳内Annの人」とも呼ばれます。
【VOCALOIDオリジナル】samsara【MIRIAM】
Zero-G社の三番目のVOCALOID「MIRIAM(ミリアム)」を使ったオリジナル曲です。歌詞はニコニコ動画をイメージして作られています。
MIRIAMは、MEIKOよりも四ヶ月早い2004年7月に発売された英語VOCALOIDで、実在の有名シンガー「ミリアム・ストックリー」の声を元に作られています。パッケージの写真もミリアムのものを使っていて、日本の「がくっぽいど」のように実名アーティストを前面に出した戦略だったようです。硬質で透き通った歌声を持ちますが、やはり初期のVOCALOIDなので声が聞き取りにくいと言われることも多いようです。
MEIKOよりも前に出た英語VOCALOIDなので日本では知名度がほとんどなく、ニコニコ動画でも使用している人は多くありません。
この曲の作者はニコニコ動画でも珍しいMIRIAM使い「CALFO」さんで、MIRIAMオリジナル曲を複数発表している数少ないPの一人です。調教技術が高く、MEIKO・KAITO・ミク・リン・SONIKAなど多くのボーカロイドを使って素晴らしい調声の作品を発表していますが、投稿者コメントを見ると特にMIRIAMには拘りがあるようで、「孤高のMIRIAMマスター」のタグが付けられています。
【The Police】 ”マジック” feat. VOCALOID LEON
LEON使いの第一人者、「ちょいワルP」によるカバー曲です。
「LEON(レオン)」は、Zero-G社によって「LOLA」とともに2004年3月に発売された世界初のVOCALOIDです。対になる女声VOCALOID「LOLA」と共にイギリスのセッション・シンガーの声を元に作られていて、パッケージには唇のアップの写真が使われています。性能的にはやはり旧型なので扱いづらく、機械っぽさが残りやすいVOCALOIDですが、この動画ではかなり上手く歌わせています。
この動画の作者である「ちょいワルP」はニコニコ動画のLEON使として最も有名な職人で、ジローラモ(+パルコ・フォルゴレ)風伊達男ビジュアルのLEONが変な日本語で歌うネタ動画シリーズが有名になり、ニコニコ動画でのLEONのイメージがほとんどネタに固定されてしまった元凶でもあります。
この作品でも解るように調教の技術は一流なのですが、たまに真面目な動画を作ると「綺麗なちょいワルP」と言われて珍しがられるほど、普段はネタまみれです。こんな感じです。
その名は英語VOCALOIDの発売元であるPowerFX社にすら知られていて、「Big Al」の新デザインに関するインタビューでデザイナーが「“ちょいワルPのLEON”と被らないようにコスチュームの色を考えた」と語っています。なんという影響力。
【VOCALOID】今更LOLAに歌わせてみる -Fly me to the moon-
最古の正式VOCALOID「LOLA(ローラ)」による、「Fly me to the moon」のカバーです。
「LOLA」は、Zero-G社から「LEON」とともに世界で最初に発売された女声VOCALOIDです。
今では女声VOCALOIDは数も多く、性能面でも新型に見劣りするため、ニコニコ動画では最も作品数が少ないVOCALOIDになっています。それでも、古くからのVOCALOID使いの中にはまだ所有している人もいるようで、この動画の作者もミク人気に対抗してこのLOLA動画を作ったそうです。
プロの使用例としては、映画「パプリカ」のテーマ曲「白虎野の娘」では、このLOLAがコーラスで使われています。
「LEON」「LOLA」には「黒人ソウルシンガー」という設定があると説明される事もありますが、これは発売前のZero-G社最初の発表では「VOCALOID Soul Vocalist」という名前で男女音源が同梱で製品化される事になっていて、その時のパッケージ写真や説明文で「黒人ソウルシンガー」となっていたのが由来のようです。結局製品版ではその設定は無くなり、パッケージもキャラクター性を排除した男女の唇写真に変えられました。しかし「LEON」「LOLA」はあまり売れなかったようで、初めて声のキャラクター性に着目したMEIKOのヒットと、よりキャラクター性を強めた初音ミクの空前のブームを受けて、後の「SONIKA」誕生に繋がって行くことになります。
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Vocaloid Sonika: Dinky Dink No time to think
英語VOCALOID「SONIKA(ソニカ)」の公式サイトで公開された曲を動画にしたもので、動画のイラストは海外のファンアートを使用しているようです。「SONIKA」はZero-G社から発売された女声VOCALOIDで、それまで英語VOCALOIDにはなかった若い少女のような歌声が特徴です。
まるでCVシリーズのようなパッケージデザインとキャラクター、日本語の「ソニカ」、幼さを感じる歌声、公式サイトでのボーカロイドコミック(英語&日本語)連載、キャラクター自身(という設定)による「Twitter」でのメッセージ発信(といきなりGUMIに喧嘩を売るキャラクター付け)など、それまでのZero-G社のVOCALOIDとは大きく異なる販売戦略で話題になりました。CVシリーズの成功と日本のユーザーを意識しての方針転換だと思われます。キャラ設定も細かく決まっていて、17歳でブーツとホワイトチョコと猫が好きで髪の色は変えられるそうです。さらには、日本でSONIKAのキャラクターがあまり評価されていない(というか笑いネタにされている)と解ると、髪の色どころかキャラクターとパッケージそのものも一新してしまい、ボーカロイドファンを驚かせました。
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2011/1/11更新
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YAMAHAで開発された「VOCALOIDエンジン」を使用したソフトを発売している会社は世界で6社あり、日本の「クリプトン・フューチャー・メディア」「インターネット」「AHS」「キューンレコード」が日本語VOCALOIDを。イギリスの「Zero-G」とスウェーデンの「Power-FX」が英語VOCALOIDを製作・販売しています。
2004年に世界で始めて製品化されたVOCALOID「LOLA」「LEON」から、最新のVOCALOID2
「Tonio」まで様々な英語VOCALOIDがありますが、日本語には対応していないのであまり聞く機会はないかもしれません。
元々は、YAMAHAで開発中だったVOCALOID技術に注目していたクリプトン社が、取引先で付き合いのあった「Zero-G」社をYAMAHAに紹介したのがこれら海外製VOCALOID発売のきっかけとなりました。
海外製のVOCALOIDソフトは、発売順に「LEON」「LOLA」「MIRIAM」の3種類。
VOCALOID2は、発売順に「SweetAnn」「Prima」「SONIKA」「BIG AL」「Tonio」の5種類が発売されています。
【SweetAnn】「Night of the Magic (Original MX)」【オリジナル曲】
ベテランDTM職人shu-tPによる、SweetAnnオリジナル曲です。アーケードゲーム「初音ミク Project DIVA Arcade」のOPムービー曲にも採用されています。
「SweetAnn(スウィート・アン)」はスウェーデンPower-FX社初のVOCALOID製品で、初音ミクとほぼ同時期の2007年8月に発売されました。音声提供者は、VOCALOIDの開発段階から関わっていたというオーストラリアのシンガー「Jody」さんです。
「SweetAnn」は英語VOCALOIDの中では比較的高性能と言われていて、ニコニコ動画でも最も多く使われています。とはいえ英語専用なので日本語ボーカロイド達と比べればかなり少なく、オリジナル曲となると極小数しか作られていません。
Annの特徴はCVシリーズより太くてパワーのある歌声で、英語も比較的明瞭に発音します。
一応日本語も歌わせる事はできますが、あくまで英語用ボーカロイドなので「外国訛りの変な日本語」になってしまいます。用途が違うので当然なのですが、有志によって作られた、英語VOCALOIDに日本語を歌わせるための辞書「ボーカフォネティック」というものもあり、それを使って真面目に日本語で歌わせている作者もいます。
Annはパッケージイラストが怖いことでも有名で、とにかく顔が濃い上に「歌う人造人間」がキャラクターのコンセプトらしく、フランケンシュタインのような縫い目までついています。真面目な曲に使う場合は、ほとんどオリジナルの捏造イラスト「脳内アン」が使われたりします。
あまりに日本で不評だったためか、パッケージとイラストをリニューアルする計画もあるのだそうです。
この動画の作者shu-tPは、LOLAやMIRIAMが初めて発売された2004年にはもう使いこなしてオリジナル曲を歌わせていたベテランで、VOCALOID使いとしては最古参と言えます。KAITOの名付け親でもあります。ニコニコ動画ではMEIKOマスターとして知られていますが海外VOCALOID作品もクオリティが高く、Annの他にもMIRIAM・LOLA・Primaでも曲を発表しています。しかし、残念な事にLOLA、MIRIAM、KAITOはもう手放してしまったそうです。

Big Al That'll be the day
PowerFX社の英語VOCALOID「Big Al(ビッグ・アル)」によるカバー作品で、作者はスペインのボーカロイド職人「Giuseppe」さんです。
「Big Al」はPower-FX社二番目のVOCALOIDで、「Frank Sanderson」というアーティストの声を元にして作られた、「SweetAnn」と対になる男声ボーカロイドです。
最大の特徴はVOCALOIDの技術では難しいとされていた低音男声に特化した歌声を持つことで、男声ボーカロイド特有の癖は多少残っているものの、他には無い渋い低音で歌う事が出来ます。
名前と声のサンプルだけはAnnが発売されてすぐに公開されていたのですが、それから発売までに2年近くもの長い時間がかかっています。その間に初期デモとは歌手が変更になり、キャラクターデザインも当初のフランケンシュタイン的なリアルなイラストから、日本のユーザーを意識したと思われるアニメ的キャラクターに変更されました。紆余曲折を経て発売された製品版「Big Al」は当初とは声もキャラクターも変わってしまいましたが、低音を重視した無二のVOCALOIDである事は変わらず、ニコニコ動画でも少なくない数の作品が作られています。
この動画の作者の「Giuseppe」さんは、主にYouTubeと自サイトで活動しているベテランVOCALOID作者で、「Big Al」の公式デモソングも彼の作品ではないかといわれています。「Big Al」の他にも日本製を含む多くのVOCALOIDを所有していて、Annにスペイン語を歌わせたり、ミクに英語を歌わせたり、ソニカに日本語を歌わせたりもしています。


【Prima】You Raise Me Up を歌わせてみた【VOCALOID2】
Zero-G社の「Prima(プリマ)」で「You Raise Me Up」をカバーした作品です。
Primaは、Annと同じくVOCALOID2エンジンを使った英語VOCALOIDで、オペラ歌手の音声を元に作られています。2008年1月の発売日前に素晴らしいデモ曲が公開されていて、ボーカロイドブーム以降初めて発売される英語VOCALOIDである事もあって注目を集めましたが、実際使ってみると発音が不明瞭で調整が難しく、初期のリン・レン以上に使いにくいと言われています。
しかし、オペラ歌手をサンプリングしたというその歌声は美しく、高音の伸びや滑らかさはCVシリーズでも出せないものです。
この曲も、声は大変綺麗なのですが、英語の発音に多少問題があるようです。まあ、英語聞き取れないんであんまり関係ないですが。
Tonio オリジナル曲 『Solowing』
ニコニコ動画でも数少ない海外VOCALOID使いの一人andromecaさんによるオリジナル曲で、Zero-G社の男声VOCALOID「Tonio(トニオ)」が使用されています。
Tonioは男性オペラ歌手の声を元に作られたVOCALOID2で、同じく女声オペラ歌手を元にしたPrimaと対になるVOCALOIDとして作られました。貴重な男声VOCALOIDであり、オペラ歌手ならではの美しいバリトン・テノールの歌声を持ちますが、癖も強くPrimaほどではないにしろ扱いにくいVOCALOIDとされています。より個性の強いBig Alもあるためか、残念ながらニコニコ動画でもまだ作品数は多くないようです。
作者のandromecaさんは海外製VOCALOID(主にAnnとSONIKA)でオリジナル曲を多く発表している人で、自作イラストのAnnを使用した動画を最初にヒットさせてAnnの認知度を高めた事から、「脳内Annの人」とも呼ばれます。
【VOCALOIDオリジナル】samsara【MIRIAM】
Zero-G社の三番目のVOCALOID「MIRIAM(ミリアム)」を使ったオリジナル曲です。歌詞はニコニコ動画をイメージして作られています。
MIRIAMは、MEIKOよりも四ヶ月早い2004年7月に発売された英語VOCALOIDで、実在の有名シンガー「ミリアム・ストックリー」の声を元に作られています。パッケージの写真もミリアムのものを使っていて、日本の「がくっぽいど」のように実名アーティストを前面に出した戦略だったようです。硬質で透き通った歌声を持ちますが、やはり初期のVOCALOIDなので声が聞き取りにくいと言われることも多いようです。
MEIKOよりも前に出た英語VOCALOIDなので日本では知名度がほとんどなく、ニコニコ動画でも使用している人は多くありません。
この曲の作者はニコニコ動画でも珍しいMIRIAM使い「CALFO」さんで、MIRIAMオリジナル曲を複数発表している数少ないPの一人です。調教技術が高く、MEIKO・KAITO・ミク・リン・SONIKAなど多くのボーカロイドを使って素晴らしい調声の作品を発表していますが、投稿者コメントを見ると特にMIRIAMには拘りがあるようで、「孤高のMIRIAMマスター」のタグが付けられています。
【The Police】 ”マジック” feat. VOCALOID LEON
LEON使いの第一人者、「ちょいワルP」によるカバー曲です。
「LEON(レオン)」は、Zero-G社によって「LOLA」とともに2004年3月に発売された世界初のVOCALOIDです。対になる女声VOCALOID「LOLA」と共にイギリスのセッション・シンガーの声を元に作られていて、パッケージには唇のアップの写真が使われています。性能的にはやはり旧型なので扱いづらく、機械っぽさが残りやすいVOCALOIDですが、この動画ではかなり上手く歌わせています。
この動画の作者である「ちょいワルP」はニコニコ動画のLEON使として最も有名な職人で、ジローラモ(+パルコ・フォルゴレ)風伊達男ビジュアルのLEONが変な日本語で歌うネタ動画シリーズが有名になり、ニコニコ動画でのLEONのイメージがほとんどネタに固定されてしまった元凶でもあります。
この作品でも解るように調教の技術は一流なのですが、たまに真面目な動画を作ると「綺麗なちょいワルP」と言われて珍しがられるほど、普段はネタまみれです。こんな感じです。
その名は英語VOCALOIDの発売元であるPowerFX社にすら知られていて、「Big Al」の新デザインに関するインタビューでデザイナーが「“ちょいワルPのLEON”と被らないようにコスチュームの色を考えた」と語っています。なんという影響力。
【VOCALOID】今更LOLAに歌わせてみる -Fly me to the moon-
最古の正式VOCALOID「LOLA(ローラ)」による、「Fly me to the moon」のカバーです。
「LOLA」は、Zero-G社から「LEON」とともに世界で最初に発売された女声VOCALOIDです。
今では女声VOCALOIDは数も多く、性能面でも新型に見劣りするため、ニコニコ動画では最も作品数が少ないVOCALOIDになっています。それでも、古くからのVOCALOID使いの中にはまだ所有している人もいるようで、この動画の作者もミク人気に対抗してこのLOLA動画を作ったそうです。
プロの使用例としては、映画「パプリカ」のテーマ曲「白虎野の娘」では、このLOLAがコーラスで使われています。
「LEON」「LOLA」には「黒人ソウルシンガー」という設定があると説明される事もありますが、これは発売前のZero-G社最初の発表では「VOCALOID Soul Vocalist」という名前で男女音源が同梱で製品化される事になっていて、その時のパッケージ写真や説明文で「黒人ソウルシンガー」となっていたのが由来のようです。結局製品版ではその設定は無くなり、パッケージもキャラクター性を排除した男女の唇写真に変えられました。しかし「LEON」「LOLA」はあまり売れなかったようで、初めて声のキャラクター性に着目したMEIKOのヒットと、よりキャラクター性を強めた初音ミクの空前のブームを受けて、後の「SONIKA」誕生に繋がって行くことになります。


Vocaloid Sonika: Dinky Dink No time to think
英語VOCALOID「SONIKA(ソニカ)」の公式サイトで公開された曲を動画にしたもので、動画のイラストは海外のファンアートを使用しているようです。「SONIKA」はZero-G社から発売された女声VOCALOIDで、それまで英語VOCALOIDにはなかった若い少女のような歌声が特徴です。
まるでCVシリーズのようなパッケージデザインとキャラクター、日本語の「ソニカ」、幼さを感じる歌声、公式サイトでのボーカロイドコミック(英語&日本語)連載、キャラクター自身(という設定)による「Twitter」でのメッセージ発信(といきなりGUMIに喧嘩を売るキャラクター付け)など、それまでのZero-G社のVOCALOIDとは大きく異なる販売戦略で話題になりました。CVシリーズの成功と日本のユーザーを意識しての方針転換だと思われます。キャラ設定も細かく決まっていて、17歳でブーツとホワイトチョコと猫が好きで髪の色は変えられるそうです。さらには、日本でSONIKAのキャラクターがあまり評価されていない(というか笑いネタにされている)と解ると、髪の色どころかキャラクターとパッケージそのものも一新してしまい、ボーカロイドファンを驚かせました。


2011/1/11更新

hal556 |
2011.01.18(火) 01:08 | URL |
【コメント編集】
はじめまして。誕生祭の企画ご苦労様です。
記事の引用ですが、この件に関しては特に問題ありません。ソースとしてはこのあたりになります。記事はある程度自分の推測も入っているので、こちらから引用した方が正確かもしれませんね。
http://www.dtmm.co.jp/dtmmnews/200303/news200303252.shtml
http://ja.wikipedia.org/wiki/LEON%E3%83%BBLOLA
画像は転載なので、一応自己責任ということでお願いします。
記事の引用ですが、この件に関しては特に問題ありません。ソースとしてはこのあたりになります。記事はある程度自分の推測も入っているので、こちらから引用した方が正確かもしれませんね。
http://www.dtmm.co.jp/dtmmnews/200303/news200303252.shtml
http://ja.wikipedia.org/wiki/LEON%E3%83%BBLOLA
画像は転載なので、一応自己責任ということでお願いします。
sekise |
2011.01.18(火) 11:56 | URL |
【コメント編集】
早々にご回答いただきありがとうございます。また、アドバイスありがとうございました。
ソースを確認させていただき、記事と比較させていただいて、やはりkikisenさんの推測を含めた記事を引用させていただきたいと思います。
また、画像ですが、この画像が他に見当たらないので、自己責任で使用させていただきます。
まとめ動画が完成いたしましたら、ツイートにてご連絡させていただく予定でおりますので、もし、動画内で不適切な表現と思われましたら、ご一報板いただければ幸いです。
失礼いたします。
ソースを確認させていただき、記事と比較させていただいて、やはりkikisenさんの推測を含めた記事を引用させていただきたいと思います。
また、画像ですが、この画像が他に見当たらないので、自己責任で使用させていただきます。
まとめ動画が完成いたしましたら、ツイートにてご連絡させていただく予定でおりますので、もし、動画内で不適切な表現と思われましたら、ご一報板いただければ幸いです。
失礼いたします。
hal556 |
2011.01.19(水) 02:02 | URL |
【コメント編集】
記事の引用について問い合わせさせていただいたhal556です。
動画が完成し、ニコニコ動画に投稿いたしました。
ご確認いただければ幸いです。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm13410233
動画が完成し、ニコニコ動画に投稿いたしました。
ご確認いただければ幸いです。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm13410233
hal556 |
2011.01.26(水) 20:35 | URL |
【コメント編集】
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この祭りの占めにまとめ動画を作成するのですが、その際にkIkisenさんのブログで紹介された「海外製のボーカロイドたち」の記事の一部、【「LEON」「LOLA」には「黒人ソウルシンガー」~】のくだりをまとめ動画内で引用させていただいてもよろしいでしょうか。
また、可能であれば発表当時の同梱の画像を使用させていただいてもよろしいでしょうか。
お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。