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2008.05.02 (Fri)

初音ミク最初の騒動と、最初のP

初音ミクは、なぜか度々騒動に巻き込まれます。
TBSのやらせ報道、消えた初音ミク騒動、ジャスラック登録事件など、特に初期のころは常に騒ぎの渦中にいたような印象です。ミク自身はいつでもただ歌っているだけなんですが。
そんな初音ミクですが、実はその誕生の瞬間からすでに騒動の中にいました。
まだ一部の人しか初音ミクを知らなかった時の事なので規模は大きくなかったのですが、このちょっとした騒動をニコニコ動画で見て初音ミクを知った人も多かったようです。

ニコニコ動画には、元々MEIKOを使って替え歌やアイドルマスターなどの曲を歌わせる職人達がいました。そのMEIKO職人達が最初の初音ミク職人になったのです。
ところが、初音ミクは発売前からこの手のソフトとしては異例の評判となり、多くの予約がAmazonに集中して品切れ状態となってしまいます。
ニコニコのMEIKO職人達の中でも初音ミクを手に入れられない人が続出し、その中の一人がその悲しみをMEIKOの歌に乗せてアップしたところ、他の職人からの返答の動画がアップされて動画でのやり取りに発展しました。
これが「初音ミクが来ない?来た?騒動」です。騒動というより、小さな祭りといったところでしょうか。



注文した「初音ミク」がなかなか届かないワンカップPを中心に、彼をからかったり届いた初音ミクを自慢したりする他の職人達とのやり取りをまとめた動画です。
一定の年齢以上の人には懐かしい、ファミコンゲームのサウンドに合わせてMEIKOが歌っています。
(度々出て来る「konozama」とは、amazon okを逆さにしたもので、amazonで予約したのに発売日に届かない事をからかう言葉です)
この動画で登場する作者達、「ワンカップP」「前日予約P」「不在通知P」の3人は、このやり取りがきっかけでボーカロイド職人で初のP名を持った人たちです。この3人が後に、ニコニコ動画における
ボーカロイドジャンルの発展に大きな影響を与える事になります。
また、このやり取りには裏でもう一人の作者も関わっていました。動画の最後で不在通知Pが歌わせている「熊公」こと「白熊カオス」のボーカロイドとの関係も、この騒動から始まっています。
「ミクの大先輩?・白熊カオス」



『ワンカップP(わP)』
「ミクが来ない?来た?騒動」の発端となり、一連のやり取りの中心になった作者です。
初音ミク発売以前からMEIKO作品を発表していた数少ないボーカロイド使いの一人で、替え歌や
ゲーム音楽のカバーを中心に、アイドルマスター動画や東方曲カバーも作っていました。(最初はアイマス動画を見るためにニコニコのアカウントを取ったそうです)

「ワンカップP」の名前は、「初音ミクが届いた気がしましたが」において視聴者によってつけられています。
元々、動画作者にP(プロデューサー)を付けた通称を贈るのはアイドルマスター動画の習慣でした。これは、ゲーム「THE IDOLM@STER」のプレイヤーがアイドル達のプロデューサーとなり、プレイヤー名が「~P」と表示される事から、アイドルマスター系動画の作者達もゲームと同じ方式で呼ばれるようになったものです。
ボーカロイド職人にP名がつけられたのはワンカップPが最初で、ワンカップPをきっかけにボーカロイドにも広まったと言われています。もともと初音ミクも、公式サイトの宣伝文句で「バーチャル・アイドル歌手を自宅でプロデュース。」とあるので、意味的にもそれほど違和感はありません。
ワンカップPの動画から始まったボーカロイドジャンルの習慣は他にもあり、「初音ミクがやってこない愛のテーマ」などからMEIKOの「のんだくれ」設定が生まれ、最高の神調教師に贈られる「伝説の~マスター」のタグも、ワンカップPにつけられた「伝説のMEIKOマスター」が発祥です。
また、ワンカップPは多作な事でも知られ、初音ミクを入手してから一ヶ月の間に20作以上のボーカロイド動画を発表しています。カバーや替え歌がメインですが、10月に入ると二つのオリジナル曲を続けて発表し、後にワンカップPの代表曲となりました。
現在では、カバーとオリジナル合わせて100曲以上の作品を発表しています。



 【乙女風味】もっと歌わせて2107【篠笛版でうたう!】
ワンカップPの代表作の一つで、珍しい五拍子を使った初音ミクオリジナル曲です。
この動画は、ワンカップPによる原曲から派生して、絵師のゆきPが書いた手書きPVと、篠笛奏者の
しましまPによる演奏動画を重ねて作られたPVです。プロ級の絵本風イラストと、篠笛・ウクレレ・カスタネット・バランスボール(?)による素朴な演奏が、ワンカップP独特のミクの歌声を際立たせています。
のんきで気の抜けるような替え歌が多いワンカップPですが、この曲は持ち主が死んでしまった100年後の世界で一人取り残されたミクが歌う、シリアスでもの悲しい作品になっています。
ワンカップPの作る曲には時々「100年」というキーワードが出てきて、曲の背景設定が一つの繋がったSF風ストーリーになっていることから「わPの100年シリーズ」と呼ばれます。(初音ミクがとどかないのさ、初音ミクがやってこない迷宮組曲、クリスマスにおける2つの疑問この空が落ちても) 後に、もっと歌わせて2057@セルペンティナ勿忘草など、この世界観に影響を受けた別の作者による100年シリーズ作品も作られました
手書きPVを作ったゆきPとは、もう一つの代表曲「子猫のパヤパヤ」でもコラボ作品を作っており、曲の世界観を題材にした絵本も出版されました。
また、ワンカップP自身も自作のイラストを多く描いていて、本の挿絵などイラストレーターとしての仕事もしています。

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『前日予約P(Otomania)』
ワンカップPの「初音ミクが来ないのでスネています」に対して、「初音ミクが来たのでスネていません」で真っ先にミクが届いた事を自慢した人です。
ニコニコ動画に投稿したのはこの「初音ミクが来たのでスネていません」が初めてですが、以前より音楽活動はしていて、Flash動画製作などでは有名な人でした。

この動画を投稿した翌日に、ニコニコ動画史上に残る名作「初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた」を発表します。この動画は、ミクの「アホの子」「ネギが好き」などのキャラクターを決定し、「はちゅねミク」という派生キャラクターも生み出しました。後の初音ミクブームに非常に大きな影響を与えた作品です。
残念な事に4本しか作品を発表していませんが、どれも大ヒットした名作です。
初音ミクに関わってからVOCALOID関係の仕事をするようになったようで、はちゅねミクを主人公にしたコミック「はちゅねミクの日常ろいぱら!」や、VOCALOID解説書などに関わっています。



 VOCALOID2 初音ミクに「GO MY WAY!!」を歌わせてみた
前日予約P(Otomania)が、大ヒットした「Ievan Polkka」の次に発表した作品で、アイドルマスターの有名曲「GO MY WAY!!」のカバーです。
初音ミク発売直後の9月はミクの扱い方の試行錯誤が行われていた時期で、習作としてカバー曲や替え歌が数多く投稿されていました。その中でもこの「GO MY WAY!!」は、当時最高の評価を受けたカバーです。
元はアイドルマスターの曲ですが、初期のボーカロイドジャンルはアイドルマスターと作者・視聴者の一部が重なっていて、アイドルマスターから流用された文化も多くありました。
P名、分類タグ、イベントの名称、ランキング動画などです。
しかし、ジャンルとして成長して独自の文化を持つようになるとそれらの要素も変化していき、現在の形になって定着しました。
そういう経緯があるためか、ニコニコ動画でのボーカロイドとアイドルマスターは今でも比較的交流の多いジャンルで、両方の要素を持つ作品は「Voc@loidM@ster」(ボーカロイドマスター)と呼ばれます。
この動画も、最初期のVoc@loidM@ster動画の一つです。
→その後のVoc@loidM@sterの発展については「歌姫とアイドルの共演・Voc@loidM@ster」

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『不在通知P』
「初音ミクが来ないのでスネています」に対して、「初音ミクが明日届くのでワクワクしています」や「初音ミクが届いたのでうかれているみたいです」で挑発しているのが不在通知Pです。
おちょくるような内容の歌で騒動を煽っている印象で、一連のやり取りの中で白熊カオスを巻き込んだのも不在通知Pです。しかし、喧嘩を売るというよりは交流を盛り上げようとしていたようで、後にカオス師匠から贈られた返歌には、自作の3Dを使った凝った返事を返しています。
この騒動以前の不在通知Pは技術系の動画をいくつも投稿していた技術者で、その中にはあくまで
BGMとしてMEIKOに歌わせた作品もありました。

この騒動の後も、はちゅねミクを使った一発ネタの工作動画「初音ミク(はちゅねミク)のねぎ回しを実際に作ってみた」に真っ先に反応して「初音ミクのねぎ回しを実際に作ってみた、を進化させてみた」を投稿し、再び新たな騒動に飛び込みます。これによって不在通知Pは、初音ミク(はちゅねミク)を
マスコットとした技術開発競争という新しい流れを作り出し、ボーカロイドとも縁の深い技術動画ジャンル「ニコニコ技術部」の誕生に大きく関わる事になるのです。
現在では、多くの技術系動画で殿堂入りを持つ、ニコニコ技術部のトップPの一人として知られています。
「ニコニコ技術部・ミク実体化への道?」



 ねるねるねるねをよく練ってみたい
不在通知Pの代表作の一つで、まあ見ての通りの動画です。
「ねるねるねるね」を練る為だけに全自動ねるねるねるねマシンを作り、CMの「テーレッテレー」を
再現するための装置まで作ります。(せっかく作ったのに光るところがまったく映ってませんが)
一応、BGMは初音ミクです。
このような、高い技術力でナンセンスな工作や実験をするのが不在通知Pの作品の特徴で、役に立つものはあまり作りません。だからこそ面白いのですが。
「技術の無駄遣い」はニコニコ技術部の合言葉でもあります。
他にも、電動歯ブラシのモーター音で音楽を奏でたりこんにゃくで電子回路を組んだりミクの3Dモデルを自作したりしています。
最新の開発競争「あの楽器」にも参加しているようです。


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テーマ : 初音ミク ジャンル : 音楽

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2008.05.04 (Sun)

なんでネギ?持ち物戦争(1)

ボーカロイド達の登場する動画、特にネタ系動画では、それぞれが特徴的なキーアイテムを持っていることがあります。例えば、ミクのネギ、KAITOのアイス、ルカのタコなどです。
これらは「持ち物」と呼ばれ、そのキャラクターを表すアイコンとして様々な作品内で便利に使われるだけでなく、そのボーカロイドのキャラクターにも影響を及ぼしました。
「持ち物」は公式の設定ではなく、それぞれ特定の人気動画をきっかけに自然に定着したもので、特にミクのネギはその意外性と見た目の面白さでミクのトレードマークとして知られるようになりました。
ミクのファン以外でも、緑髪のツインテールでネギを持ってれば初音ミクだとわかる人も多いのではないでしょうか。この「持ち物」設定は、ユーザーとファンが全てを作り上げていくボーカロイドジャンルならではの特徴的な習慣の一つと言えるかも知れません。
ここでは、そんな各キャラクターの持ち物のルーツとなる動画を集めてみました。
これらの動画から人気になり定着した「持ち物」の習慣が、後に「戦争」と呼ばれる大騒ぎに発展していくのです。




 VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた
全ての発端となった動画で、ニコニコ動画以前から活躍していたFlash職人「Otomania(おとまにあ)」さんと友人の「たまご」さんの合作です。原曲のIevan Polkka(イエヴァン・ポルッカ)は「イエヴァのポルカ」という意味のフィンランドの民謡で、このミクカバーは「ロイツマ」と呼ばれる事が多いです。
発売当初、のほほんとした歌声と初期設定のバグのため「やる気のない歌声」「アホの子」と呼ばれることもあった初音ミク。そのイメージのままにデフォルメ化された「はちゅねミク」が、フィンランド語の歌に合わせてひたすらネギを振るという、可愛くも気の抜けるような作品になっています。ネタとしてもカバーとしても完成度の高いこの動画は一躍大人気となり、ニコニコ動画で強いインパクトを与えました。
この動画が人気になったことでミク=ネギのイメージが生まれ、後に様々な動画のイラストや歌詞にミクと共にネギが登場するようになります。例えば、初音ミクの代表的なキャラクターソングである「みくみくにしてあげる♪」の歌詞に登場したり、ミクが食べたり、なぜか宗教化したりしています。
さらには、ミク以外のボーカロイドでもそれぞれ決まったアイテムを持たせて個性を出すのが習慣になり、ミクの「ネギ」を始めとするそれらのアイテムは、後に「持ち物」と呼ばれるようになっていきました。
そのままですが。



 Loituma - Ieva's Polka
ミクのネギのルーツとなる動画です。通称「ロイツマ・ガール」。
2006年ごろにネット上で流行った海外発祥の動画で、アニメ「BLEACH」の一シーンを切り取り女の子(井上織姫)が延々ネギを回す中毒性のあるFlashアニメーションとして有名でした。
上の「ロイツマ」の作者の一人であるOtomaniaさんもFlash職人なのでこの動画のことは知っていて、日本語しか歌えないミクにウケ狙いであえてフィンランド語のロイツマ・ガールを歌わせてみたのが
ミクのロイツマの発端でした。
しかし、動画を担当した「たまご」さんは元ネタであるロイツマ・ガールを知らなかったので、Otomaniaさんに「一緒にネギを持たせて回してね」と言われてもどう回すのか解らず、独自の解釈で作った結果ロイツマの「ネギ振り」が誕生したそうです。もしOtomaniaさんがロイツマ・ガールの事をちゃんと伝えていたら、今頃ミクはネギを振らずに回していたかもしれません。
ミクのネギのルーツとしては、ふたばちゃんねる発祥の「OSたん」シリーズの一人「Me」の持つネギや、「ボボボーボ・ボーボボ」に登場するドンパッチソードなどが挙げられる事もありますが、これらとミクのネギは特に関係はないようです。



 初音ミクが来ない?来た? (最終版)


 【MEIKO】めいこめいこにしてあげる♥【してやんよ】
MEIKOの持ち物とキャラクターの原点となった二つの動画。
上は、MEIKO職人「ワンカップP」が、初音ミクが届かない悲しさをMEIKOに歌わせた一連のシリーズのまとめ動画です。
このシリーズ中で、ワンカップPを代弁するMEIKOが次第に酒を飲んで荒んでいく様子が描かれており、「ワンカップP」の名前の由来になると共にMEIKOの「酒飲み」の設定が誕生する事になりました。
下は、ベテランMEIKO使い「ぼか主」さんによる作品で、ミクの象徴ともいえるキャラクターソング「みくみくにしてあげる♪」をMEIKO用にアレンジしたものです。MEIKO作品として初めて週刊VOCALOIDランキングで上位(5位)に入った人気動画でした。
歌詞は「みくみく」のパロディなのですが、なぜか後半になるにつれて内容がバイオレンスに‥‥
現在の「ちょっと怖くて暴力的」なMEIKOのイメージはこの動画をきっかけに定着したもので、ワンカップPの一連の作品で定着した「酒飲み」のイメージと合わさって、「いつも酒を飲んでいる乱暴長女」のイメージが定着してしまいました。たとえばこんな感じで。
後にボーカロイドファミリーが増えるにしたがって、やさぐれたイメージは薄れてファミリーの大黒柱として面倒見のいい長女のイメージが強くなっていきますが、それでもやはり酒豪で鉄拳最強なのは変わらないようです。



 【初音ミクへの回答】にイラスト付けてみた
まだKAITOがほとんど知られていなかった時代のネタ動画で、KAITOの影の薄さをからかった一発ネタ動画「初音ミクからのお願い。」に対する返答の動画「初音ミクへの回答」に別の人が絵をつけたものです。
それまでは、KAITO=「影が薄い、不人気」というイメージだったのが、この動画をきっかけとして、KAITO=「アイスクリーム、天然」というイメージが定着していきました。KAITOのキャラクターイメージの原点といえる動画です。そして、ネタキャラ化の第一歩でもあります。
後に「うろたんだー」シリーズで生まれた「裸マフラー」と、この「アイス」はKAITOの持ち物として定着し、MEIKOなどと比べるとKAITOにはネタ系作品やトーク作品の比率が多いためか、持ち物設定も頻繁に登場しているようです。
さらにミクの返答を合わせた動画→【初音ミクからの再回答】(アイスクリームのうた)再うp


「なんでタコ?持ち物戦争(2)」へ続く


最終更新・2010/1/25 人気ブログランキングへ ←押してもらえると励みになりますm(_ _)m

テーマ : ボーカロイド ジャンル : 音楽

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2008.05.06 (Tue)

なんでタコ?持ち物戦争(2)

前半は→「なんでネギ?持ち物戦争(1) 」
ミク達の「持ち物」の定着とキャラクターへの影響を見たボーカロイドファンの一部は、次に出る新ボーカロイドの持ち物が何になるかに強い関心を持つようになりました。
それまで「持ち物」は人気動画が出ることで自然に広まって定着していましたが、鏡音リン・レン以降は、発売前からニコニコ動画や掲示板、ブログ、イラスト投稿サイトなどで、様々な候補アイテムごとに派閥に分かれて牽制し合う様子が見られるようになります。そして、実際にボーカロイドが発売されると、それぞれが押す「持ち物」の定着を狙った多くの動画が投稿されて、主導権を握ろうとするようになりました。
これが、通称「持ち物戦争」です。
まあ、新ボーカロイドが発売されたときの恒例行事の一つといったところでしょうか。
普通にオリジナル曲を発表している作者達にとってはそれほど関係ない行事ですが、キャラクターのファンやボーカロイド絵師、ネタ動画の作者にとっては「持ち物」が何になるかはわりと重要な事なのです。
しかし、ボーカロイドジャンルでは結局動画の人気が全てを決めるので、どんなに議論しても別サイトでイラストが増えても、インパクトのある動画がニコニコで一つヒットしてしまえばそれで終了してしまいます。そして、どんな動画がヒットするかは誰にも予想できません。
なかなか、思うようには行かないようです。




 【鏡音リン】ぶっちぎりにしてあげる♪【頭文字R】PV風
2008年正月にロードローラー関連動画が氾濫した、通称「ロードローラー祭り」の中心となった動画の一つで、有名曲をアレンジした「ぶっちぎりにしてあげる♪」に別の人がカオスなイラストPVを付けたものです。
「持ち物戦争」という言葉が最初に使われたのは鏡音リン・レン発売時で、様々な候補がしのぎを削る中、「ロードローラー祭り」と呼ばれるほどの物量と、なによりそのインパクトで「ロードローラー」が他の候補を文字通り踏み潰してしまいます。リン・レンの持ち物決定においても重要な役割を果たすのではと期待されていたOtomaniaさんが態度を保留した事もあり、ロードローラーはリン・レン(特にリン)の「持ち物」(乗り物?)として扱われるようになりました。ちなみにこのロードローラーは、悪ノ娘からとって「ジョセフィーヌ」と呼ばれることもあります。
この影響で、リン=過激でパワフルでガラが悪くてロードローラーなイメージのネタ動画が作られるようになり、ある意味ミクに無かった要素を補ったキャラクターになっていきます。(もちろん、作る人によりますが)
とはいえ、イラストが描き難いロードローラーはミクのネギほどには普及せず、それでいてシリアスな曲作りを阻害しかねないほど強烈なネタキャライメージがついてしまうなどマイナス効果もあったため、クリプトンも巡音ルカ発売時にはネタの暴走を防ぐ対策を取っています。
後に、この祭りで暴走気味だったリンのネタキャライメージも落ち着いて、やんちゃでじゃじゃ馬な妹キャラという程度が一般的になったようです。持ち物としては、ロードローラーの対立候補の一つだった「みかん」「バナナ」が使われることが増えています。



 初音ミク「すいません・・・、鏡音リンを予約したいのですが・・・」
「ロードローラー祭り」の発端となったと言われる動画です。
ミクによるトークロイド作品で、持ち物をネタにした普通の一発ネタ動画でした。
2007年12月1日にこの動画が発表された当時、すでに掲示板などで持ち物を何にするかの論争が始まっていて、みかん派やトウモロコシ派等が牽制し合っていました。
ところが、この動画が発表されるとネタの唐突さとインパクトが受け、当時作られたばかりのピアプロでロードローラー系のネタイラストが投稿されるようになります。


ロードローラーだッ!!!! powerd by ピアプロ

これがまた大受けし、ネタ度を競うように次々とロードローラーイラストとロードローラーの歌がピアプロに投稿されて貯えられていきました。
そして、それらが後に「ロードローラー祭り」で投稿された大量の動画の素材になったのです。
リン・レン発売前には、絵師に人気のあった「みかん&バナナ」や、ミクのネギにちなんだ「たまねぎ」、mixi発祥の「たくあん」などが各所で主導権を争っていましたが、最終的にはピアプロの大量のイラストとPを味方につけた「ロードローラー」派の数と勢いが勝負を分けたようです。
この動画は、ロードローラー派の「整地(聖地)」として、今でも巡礼者が訪れる記念碑的な動画になっています。



 【がくっぽいど発売記念】がくぽが家にやってきた!【手書き動画】
がくっぽいど発売前日に発表された、ネタ系の紙芝居動画です。
新しくやってきた新人のがくぽがボーカロイドファミリーに受け入れられる様子を描いたコメディで、すでにがくぽのキーアイテムとしてナスが登場しています。
がくぽの持ち物「ナス」は設定画が公開されてすぐから言われ始めていたもので、「持ち物戦争」もなく、「なんとなくナスっぽいから」という理由で発売前にそのまま定着してしまっていました。発売前に、ニコニコ動画内のがくっぽいど宣伝バナーで「次はナスか?」と大々的に表示されていた影響もあるかもしれません。反発するアイテムの派閥も特に無かったようです。
また、この作品に出てくる精霊馬っぽいナス馬「ナスノヨイチ」も定着して、他の作品でも度々登場するようになりました。ナス馬自体はこの動画が初出ではなく、ニコニコ大辞典「がくっぽいど」コメント欄で、6/21日にはイラストが投稿されています。
「中の人」のイメージが前面に出てくるインターネット社製ボーカロイドでは、ユーザーがキャラクターを自由にイメージし難いためか、持ち物戦争も起こりにくいようです。



 【巡音ルカオリジナル】るー閣下のマグロ一本釣り教室【+手書き】
二度目の「持ち物戦争」は、巡音ルカ発売時に勃発しました。
ルカの時も様々な持ち物候補が考案されて、それぞれの支持者が派閥を作って牽制し合いましたが、その中でも特にピアプロやpixivの絵師達に支持されて最大派閥となっていたのが「マグロ」(または冷凍マグロ)でした。
発祥は2ch本スレの1000取り書き込みという説が有力ですが、pixivではリンの持ち物戦争のときにもマグロ絵が投稿されているので、はっきりとは言えません。
この作品はマグロ派の動画として最も人気があり、「たこルカ」や「グラットンソード」や「さくら棒」と接戦を繰り広げました。圧倒的なイラストの支援もあり有利かと思われていましたが、最終的には「たこルカぽっぴっぽー」のインパクトに破れてしまいます。
しかし、その後もマグロはたこルカの乗り物兼大好物「オオマさん」として一部生き残りました。元々たこルカとマグロを同時に書いたイラストも多く、海産物同士相性がよかったようです。



 【FF11】 ルカントファンタジーOP 【グラ差し替え】
FF11のグラフィックを加工して作られた人気動画「ブロントファンタジーOP」のキャラクターをルカ(ルカントさん)に差し替えて、元作品の作者自身が作った動画です。
「グラットンソード」派の中心的動画として人気になりました。
グラットンソードは、2chネトゲ実況、通称「ネ実」の有名キャラクター「ブロントさん」愛用の武器で、ルカの声を担当した浅川悠さんがネットゲーム「FF11」の廃人プレイヤーとして有名な事にちなんで参戦したようです。
ブロントさんは独特の言葉使いとFF11の世界観を背景に持つネ実の人気キャラクターで、ニコニコ動画で人気のある「東方」や「MUGEN」にも食い込み、「東方陰陽鉄 」などの人気動画シリーズも持つ、一つのジャンルとも言えます。
多くのブロンティストやネ実民の支援を得て善戦しましたが、やはり「元ネタがマニアックすぎて解らない人にはさっぱり解らない」という致命的欠点のせいで劣勢となり、最後にはやけに潔い敗北宣言と共に退場していきました。さすがナイトは謙虚だった。
と思いきや、今でもたまに新作が投稿されたり、ルカが武器を持つときはさり気なくグラットンソードを持っていたりします。



 たこルカぽっぴっぽー
ルカの持ち物戦争は各勢力が拮抗した激戦でしたが、最終的に制したのはルカの亜種(ペット?)キャラクター「たこルカ」でした。
たこルカの発祥はピアプロとpixivに同時投稿された、「三月八日(さんぱち)」さんのイラストです。



さんぱちさんは「ピロリ菌のうた」のピロリミクのイラストなどでも有名な絵師で、色々とデザインが面倒なルカのデフォルメキャラの描き方を模索した結果、諸々省いてこの姿になってしまったそうです。省きすぎです。
このキモ可愛いキャラクターが主に2chYouTube板VOCALOIDスレで人気になり、スレ内でAAとして頻繁に登場するようになります。
そして巡音ルカが発売されると、「巡音ルカ と 英語でおしゃべり!」や「たこルカポルカ」などがランキング上位に上がり、そしてこの「たこルカぽっぴっぽー」が発表されて大人気になったことで、ルカの持ち物戦争は「たこルカ」優勢で幕を閉じる事になりました。
その後は、pixivでたこルカ関連イラストが1000を超えたり、MMDにたこルカモデルが投入されたり、ぬいぐるみが作られたり、たこルカ動画だけを集めたランキング動画が作られたり、怪しい宗教が出来たりと愛されているようです。
この「たこルカ」は、ネタ要素を別キャラに分離したことでルカ本体のイメージは守られるのが特徴で、クリプトンも一安心のようです。インタビューでも「想定外ですが、斜め上かつすごくかわいい」と語っています。


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テーマ : ボーカロイド ジャンル : 音楽

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2008.05.08 (Thu)

人に近付くミクの歌声 ぼかりす騒動

VOCALOIDの複雑なパラメーターを調整してうまく歌わせる作業を「調教」と呼ぶ習慣があり、最高
レベルの調教の作品には「神調教」というタグがつけられます。
その神調教の中でも、特に人間に近い作品を生み出す二つの動画シリーズがあります。
産総研の音声研究の過程で作り出された自動システム「ぼかりす」と、
ぼかりすの神調教に対抗するために作り出された、職人による調整法「ぼかんないんです><」。
そして、この二つの技術が発表されたきっかけとなった騒ぎが、「ぼかりす騒動」です。

発表当初、「ぼかりす」は謎の自動技術として話題になり、ネットニュースにも取り上げられるほどでした。
その正体は、産業技術総合研究所(産総研)による「音楽情報処理研究の一環として開発された
『VocaListener: ユーザ歌唱を真似る歌声合成パラメータを自動推定するシステム』のデモンストレーション動画の一部を掲載したもの」だと後に明かされています。これは、人間の歌い手が歌ったデータを元にVOCALOIDの歌唱データを自動で作り出すシステムで、さらに大雑把に言うと人間の歌声を録音してVOCALOIDにコピーするようなものです(多分)。

一方「ぼかんないんです><」は、ぼかりすを分析したyuukissさんが「あ、それってOKだったんですか」と編み出した調整法と、それを使用して作られた動画シリーズです。
ボーカロイドの癖を消して、人間らしい複雑なビブラートを作り出すノウハウで、この技術は一般に
公開されて別の作者にも使われています。

このまったく異なる二つの技術によって作られた作品群が、現在のボーカロイド作品の中で最も人に近い代表作とされているのです。




 【初音ミク】 PROLOGUE 【ぼかりす】
ぼかりす騒動のきっかけになった、最初の「ぼかりす」です。
非常に生々しい歌声で、すぐに他の初音ミクの歌とは違うと解ります。ボーカロイド職人による調教では出せなかった感情や抑揚が篭っていて、まるでミクではないようです。
ただし、機械の癖を消すと同時にミクにはありえない音の外し方をしていて、初音ミクの歌唱に慣れたファンにとっては不可解なポイントでした。この違和感と、情報が伏せられていたために生じた様々な憶測が、発表当時の賛否両論を呼ぶ事になりました。
種を明かされてみれば、実際人間が歌っているので、人間らしいのも音を外すのも不思議ではなかったのですが。
動画投稿者は産総研の研究者ですが、後に「産総研P」の名を贈られています。そのままです。



 【初音ミク】 Dearest (yks remix)+α 【カバー曲】
yuukissさんによる「ぼかんないんです><」のミク版で、曲は浜崎あゆみの「Dearest」です。
「ぼかんないんです><」は、ぼかりす騒動の最中ぼかりすに対抗してyuukissさんが編み出した
調教法で「MEIKO版Dearest」「KAITO版忘れるわけないでしょ」「ミク版Dearest」の三つが作られました。聞いての通り、ぼかりすに似た声の抑揚と、ミクならではの正確さをどちらも併せ持っています。
やはり神調教と言われる「奇跡の海」は元曲自体にあまり抑揚が無いため、フラットなボーカロイドの歌唱に適していたという面もあるのですが、「ぼかんないんです><」は曲を選びません。
ぼかりすの示したVOCALOIDの可能性と、それに挑戦する職人の技術が生み出した新しい神調教作品です。
この技術は公開されていますが、再現に非常に手間と時間がかかるらしく、誰でも使いこなせるというものではないようです。
「初音ミクたちの実力を見る動画」



 【KAITO】 忘れるわけないでしょ (vocal test) 【オリジナル曲】
「ぼかんないんです><」を使って作られた、KAITOオリジナル曲です。
最初のMEIKO版Dearestとほぼ同時に投稿されたこのKAITO版は、MEIKOよりも調声に苦戦したようですが、やはり人間らしい抑揚が再現されています。そして、人の歌を元にしたカバーだけでなくオリジナル曲にも適応できる技術だということが証明されています。
この動画で使われているのは曲のごく一部ですが、KAITOファンの願いも虚しく、未だに完成版は作られていません。



 【巡音ルカ】 大漁船 【ぼかりす】
巡音ルカ発売後すぐに発表されたルカ版ぼかりすです。ぼかりす作品としては10番目の動画になります。
技術の改良が進んでいるためか、ルカの汎用性がぼかりすと合っていたのか、今までのぼかりすと比べてもはるかに自然な歌声になっています。よく聞けばルカ特有の巻き舌癖は残っているものの、これなら説明しなければ多くの人が人間と錯覚するのではないでしょうか。
この「大漁船」を使ったぼかりすはボーカロイド全員分が投稿されているので、ボーカロイドごとの違いを比べて聞くことが出来ます。おそらく、演歌独特の抑揚とビブラートの多用がテストに適していたのだと思いますが、ボーカロイドたちがド演歌の「大漁船」を熱唱するのはなんだか面白いです。
それぞれ個性的ですが、ルカを除くとKAITO版とリン版が特に人気が高いようです。なぜか大合唱版まであります。
【KAITO】 大漁船 【ぼかりす】
【MEIKO】 大漁船 【ぼかりす】
【初音ミク】 大漁船 【ぼかりす】
【鏡音リンACT2】 大漁船 【ぼかりす】
【鏡音レンACT2】 大漁船 【ぼかりす】
【がくっぽいど】 大漁船 【ぼかりす】
【VOCALOID合唱】 大漁船 【ぼかりす】
【メグッポイド】 大漁船 【ぼかりす】
【氷山キヨテル】 大漁船 【ぼかりす】
【歌愛ユキ】 大漁船 【ぼかりす】
【SF-A2開発コードmiki】 大漁船 【ぼかりす】



 【巡音ルカ】月の浜辺
ルカによる戦前歌謡曲のカバーです。
ルカの神調教の代表作とされるこの作品にも、作者は違いますが「ぼかんないんです><」の技法が使われています。「ぼかんないんです><」の代表的な使い手としては、生みの親であるyuukissさんの他に、この動画の作者である戦前歌謡カバー職人「こがうたP」や、オリジナル曲に応用している
「164」さんなどがいます。いずれも神調教師として称えられるボーカロイド使いです。
「ぼかりす」と大変相性のいいルカですが、やはり「ぼかんないんです」とも相性がいいようで、このままラジオから流れてきてもおかしくない生々しさです。
ルカは他にも多くの神調教曲が発売直後から生まれているので、作者にそれなりの技量があれば、扱いやすさもポテンシャルも非常に高いボーカロイドである事が解ります。



 【メグッポイド】 遥かな想い 【ぼかりす】(GEN=64)
インターネット社の新ボーカロイド「メグッポイド」を使ったぼかりす作品です。
インターネット社ボーカロイドの特徴であるリアルな歌声とぼかりすの相性は良いようで、この曲でも一部にメグッポイドの癖が出ているものの、かなり人間らしく聞こえます。
この曲では、同じメグッポイドの「GEN」のパラメーターだけを変えて歌わせるテストが行われていて、この「GEN=64」版の他にも、より高い(若い)声の「GEN=40」版、低い(大人な)声の「GEN=90」版が公開されています。



 【初音ミク】「Survivor」【ぼかりす×匿名希望の東京都在住】
「ぼかりす」技術の実用化に向けた新たな段階「Netぼかりす」α版を使ったテスト動画です。
最初の「ぼかりす」が騒動になったちょうど一年後に発表された「Netぼかりす」は、歌詞と人間の
歌声のデータをサーバーに送信すると、自動的にVOCALOIDで扱える形式のファイル(VSQ)に
「ぼかりす」で変換してくれるというサービスです。
この「Netぼかりす」のαテスト版が何人かのP達に提供され、それを使って製作されたテスト動画がニコニコ動画で多数発表されました。この動画は、αテスターの一人「杏あめ(匿名希望の東京都在住)」さんによる作品です。
今までのぼかりす作品と比べてもかなりレベルが高く、人間らしい情感と力強さが歌声にこめられています。「ぼかりす」による自動システムと職人による調教技術が掛け合わされた結果、さらに進化した神調教が生まれました。
ただし、α版では「ぼかりす」の売りの一つである歌声の自動補正機能が省かれていて、歌唱データの元になるP自身がかなり歌が上手くないと使いこなせないという致命的な欠点があります。
音痴な歌を変換すると、ボーカロイドの歌も音痴になってしまうのです。実際、このαテストでNetぼかりすを上手く使いこなせていたPは、数人しかいませんでした。
ちなみに、「杏あめ(匿名希望の東京都在住)」さんは「ボカロ殺し」と呼ばれるほど歌が上手いPとして有名な人です。
これはあくまで機能を省いたαテスト版なので、全ての機能を備えた完全版「Netぼかりす」もいずれ公開されて、さらに進歩していくでしょう。


最終更新・2010/1/8 人気ブログランキングへ ←押してもらえると励みになりますm(_ _)m

テーマ : 初音ミク ジャンル : 音楽

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